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対外投資

円安でも対外直接投資は増えている

1990年代から2000年代、行き過ぎた円高のために日本
企業が海外進出を進めたといわれている。
円安が始まったのは2013年ごろだが、急激な円安水準に入
り始めたのは 2022年だ。
だが、2023年、2024年も対外直接投資は急増しており、
2025年の対外直接投資額は、32兆6,236億円にもなってい
る。

資料:唐鎌大輔氏(みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト)

円安水準が大きく進んでしまった現在、本来であれば、国内投
資へ回帰してもよさそうだが、海外投資が割高となっている現
在でも、日本企業は海外進出を加速させてしている。
現在の状況をみれば、日本企業の海外進出、海外投資は円高だ
けが理由ではなかったようだ。
もちろん、プラザ合意後の円高によって、三菱地所は、1989年
〜1990年にかけて米国の象徴であるニューヨークの巨大複合施
設「ロックフェラーセンター」を保有するグループを約2,200
億円で買収した。
その後、バブル崩壊と不動産不況により巨額の評価損を出し、
1995年に運営会社が連邦破産法を申請するなど投資としては大
きな痛手を負っている。

ソニーは、この1989年に米国の映画大手「コロンビア・ピクチ
ャーズ」を買収しました。のちに「高い授業料」と言われる巨
額の減損を計上したものの、現在ではソニーグループの大きな
収益源の一つとして成功を収めた。

パナソニック(旧・松下電器産業)は、1990年に米国の映画や
音楽大手「MCA(ユニバーサル)」を約7,800億円(当時の最高
額)で買収たのだが、ハリウッドの経営手法に馴染めず、わず
か数年後の1995年に大部分の株式を手放す結果となった。

そもそも日本企業は技術力があり、わが国の内需が弱いことを
背景に輸出を伸ばした。
さらに日米貿易摩擦によって米国内に工場を建設する大手企業
が多くなった。
しかも、これらの企業はうまく現地化できたうえに、インフレ
のおかげで売上高が増え、利益を出せることを理解していった。
賃金も高いのだが、販売価格も高く設定することができる。
わが国のようなデフレ経済ではなく、米国は成長性がみえてい
る。

そんなことを考えていると、きょうの日本経済新聞に『トヨタ、
台湾で日本向け主力車生産 国内の増産余力乏しく逆輸入』と
いう見出しで、次の記事がでていた。
『トヨタは国内生産を年300万台以上に維持する方針を掲げ、
供給網を構築して技術力の確保や雇用の吸収につなげてきた。
ただ人件費や物価の高騰で投資コストがかさんでおり、大手製
造業であっても国内で生産力を大幅に増強するのが難しくなっ
ている。

海外から輸入する日本車は「逆輸入車」と呼ばれる。これまで
の逆輸入車は現地モデルを日本向けに供給するのが一般的だっ
た。海外で日本向けの専用ラインを設けるのは異例だ。トヨタ
が主力車種で実施するのは初めてとみられる』<一部抜粋>


資料:日本経済新聞

もはや、トヨタですら国内投資をする気力がないようだ。
それほどまでにわが国がおかれた経済環境は、将来性がみえな
いのだろう。
私は言葉を失った。
このような大企業の経営判断を、中小企業は、しっかりと理解
しておかなければならない。
確実に国内おける生産活動は縮小していく。
中小企業は、このような流れにいきなり巻き込まれないような
経営改革をやっておかなければならない。

国内で投資できるのは、あくまで国内で付加価値が高い製品や
サービスを生み出し、諸外国に輸出でききる中小企業が核とな
っていくべきだ。
大手企業は、昭和の時代から安くてよい製品のイメージしかな
い。
だからコスト遊牧民をやるしかない。
牧草がなくなれば、牧草が生えているエリアへ移動するだけだ。
定住できる付加価値をもつことこそ、これからの中小企業の役
割だ。

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