事業をおこなっていれば、いろいろな原因で事業が行き詰まる
ことがある。
事業継続の有無の判断ができることが経営者の役割だ。
私が知る限りだが、行き詰まる要因は、資金繰りに尽きた。
黒字でも倒産は起こる。
試算表をみれば、しっかりと黒字経営なのだが、資金は火の車
だ。
返済や税金の支払いもきちんと行われている。
だが、行き詰まる企業は、経営者本人から借り入れが増えてい
く。
経営者(社長)の報酬が毎月きちんと払われていない、といっ
たことが見えてくる。
それから、従業員への賃金遅配が起こる。
月内に遅配が解消されるようであれば、まだよいのだが、最終
的には賃金が支払われなくなる。
また、前後するが、社員から資金を借り入れているケースがあ
るのだが、このような状態になっていると、社員への返済その
ものが行われなくなる。
社員からすれば、このような依頼を受け入れてはならない。
このように社員から借り入れするような会社では、役員報酬と
いえないような報酬で役員に就任していることが間々ある。
ここまでくると、経営者と社員間のなれ合い経営となっている。
経営者は、あることないこと言って、社員から金を借り入れる
のだが、この状態そのものが危険水域だ。
本来であれば、社員はすぐに退職すべきだ。
経理は見かけ上の数字しか表さない。
近代企業の経営は信頼の上に成立している。
毎日の取引は、現金を通した取引ではなく、信用取引になって
いる。
そのため、現金の動きがみえてこない。
売掛金や買掛金として帳簿のうえを、金が歩いているだけだ。
実際の金は、金庫にある現金か、預金通帳の残高だ。
ところが、人間は想像たくましい、金を生み出すことができる、
と考えて生きている。
とくに中小企業の経営者だが。
金もないのにゴルフや飲み食いする、無駄なものを買う、車、
土地、建物、備品など数えればきりがない。
大きな金でなくとも、小さな金がつみかさなって資金を流失
させる。
完全に資金繰りが火の車になっているのに、交際費はつかう、
経費削減はしない。
売上を上げる努力はしない。
現在では、資金を借りることが簡単なので、ファクタリングに
手を出すのだが、多額の支払手数料を取られ、さらに資金は流
失していく。
銀行預金の残高は、企業の余命を知らせている。
しかも、長期借入金の残高は数千万円だ。
このような会社が、継続できることはなかった。
従業員には賃金未払いのままだ。
元役員は、銀行からの長期借入金の連帯保証人になっていたた
め、返済が重くのしかかっている。
経営者は逃げた、今でも行方がわからない。
こうなる前に手を打つのが経営者だ。
経営とは、なんとかなるものではない。
経営とは、経営者がなんとかするものだ。
前述した状況で、仮に借入ができたとしても、このような経営
者は、資金を別ななにかに流失させていくだろう。
経営者には、資質がある、と私は思っている。
お金の流れをみるだけで経営者の資質がわかる。
金の流れは、経営者の人柄を表しているからだ。