デジタル化は、人間の作業を楽にしてくれるのだが、それでビ
ジネスがうまくいくのではない。
多くの業種でデジタル化が貢献している業務分野は多いのだが、
AmazonなどのEC分野やホテル事業、あるいはレストランなど
飲食店の評価は、今、普通に人が評価することで成立している。
システム化は、どこの企業でもおこなっており、それで企業が
評価されることはない。
AIでも同じだろう。
もっとも、AIの導入が個別企業の独自性を発揮できる形になっ
ていれば、他社と差別化さることはあるだろう。
デジタル化は、その多くが汎用的なスタイルになっている。
AIも中小企業が活用できるタイプは汎用性が高く、それだけで
企業の評価をもらえるほど甘くはない。
物流でも同じことがいえる。
デジタル化は進んでいるのだが、配送途上にある倉庫には、デ
ジタル化に乗れない商品在庫がうずたかく積まれている。
それを片付けていくのは、人だ。
少々荷扱いが荒くても、商品が顧客に予定通り届くことが一番
だ。
もっとも、私は、荷扱いが悪くても中身に問題がなければ、返
品などしない。
物流業の流れが、私の眼の中に映るからだ。
スケジュール優先で配送を組めば、荷捌きは大変だとわかる。
倉庫の人たちや配送業者を怒る気持ちになれない。
私は、原則、至急便を依頼しない。
ゆっくりとした流れのなかで商品が届けばよい。
遅配OKだ。
それでも、どこの配送業者もすばやく、きちんと配達してくれ
る。
私は、配送だけで感動している。
注文した商品が、しっかりと届くことはありがたいことなのだ
が、どこか無理をしていないか気になる。
結局、ここでも人間が評価されることになるだろう。
途中の倉庫における荷捌きをする人たちやきちんと配達してく
れるドライバーたちだ。
デジタル化やAIの導入でも、評価されるのは、どうも人間にな
りそうだ。
こう考えると、この分野における人材の賃金や業務委託料は、
上昇していくと思われる。
私の知る限りだが、実際、業務委託料の単価は上がってきてい
る。
また、倉庫を運営する大手不動産会社では、福利厚生などを充
実させて雇用の確保に努力している。
ただの倉庫屋ではない。
倉庫のなかで人にしっかりと働いてもらうための施策を凝らし
ている。
デジタルやAIは、標準的な仕事には向いているのだが、あらゆ
る事業にはボトルネックが存在し、その部分は複雑だ。
人にしか対応できないことが多い。
デジタル化やAIの進出は、あらゆる分野で、確実にボトルネッ
クを作る。
ボトルネック部分の仕事に対応できる人間が、もっとも評価を
受ける時代になるだろう。
人間がおこなう仕事は、これから益々重要になるし、評価され
ていくだろう。