私が知る大手企業の下請け企業では、来月から火曜日と木曜日
を休業にするということだ。
中東紛争に伴う原材料の供給が十分でないため、生産調整をお
こなうことになった、という話だった。
政府は、原油やナフサの供給に問題ないといっているのだが、
現場では、部品や原材料の調達がうまくいっていないようだ。
このような大規模な紛争が起これば、人間は、当面の原料など
を余分に発注しておくことが普通だ。
いわゆる仮需だ。
この仮需が発生すると、これまで機能していたサプライチェー
ンは、うまく稼働しなくなる。
生産数量は紛争が発生する前と同じでも、原材料を使用する最
終消費者へ届く間の中間業者に在庫が増えていく。
末端の最終消費者から発注が来る前にメーカーへ商品を発注す
るため、商品はメーカーの在庫にならず、中間業者へすぐに移
動する。
中間業者が、在庫をもつといっても限界がある。
すぐに在庫がはけて品不足が発生する。
必要な原材料が届かないメーカーでは、生産ラインの稼働率を
下げるほかない。
それぞれのメーカーでは、生産調整がはじまる。
私が知る中小企業に限らず、他の下請け企業でも同様な状況が
現れてきているのではないだろうか。
下請け企業が、生産調整を理由に大手企業(親事業者)から一
方的な休業依頼を受けた場合は問題がある。
まず取適法(旧下請法)の適用の有無だ。
下請け会社では、社員を休業させるか、あるいは別な業務を担
当してもらうなどの対応が必要になる。
私が知る中小企業は、親事業者が契約上の取引額を全額保証し
ているので問題ないのだが、なかには、生産調整のため休業補
償しないようなケースでは、取適法・独占禁止法違反の可能性
がある。
中小企業(下請け企業)では、雇用調整助成金の活用ができる
場合があるのだが、要件があるので確認する必要がある。
さらに、会社都合で従業員を休業させる場合、労働基準法に基
づき休業手当(平均賃金の6割以上)を支払う必要があるため、
取引先への補償交渉の協議の中では、減額分や損害の補償を求
めることになる。
生産調整が行われると下請け企業は、ストレートに経営にかか
わってくる。
それぞれの企業で条件が違うだろから、慎重な対応が必要にな
るのだが、いずれにしても資金繰りにかかわってくることがあ
るため、事前に金融機関や役所などに確認しておくことが求め
られる。