AIを導入しても生産性が上がらいという話があるようだが、そ
もそも企業はAIになにをやらせるかを決めているのだろうか。
やみくもにAIを導入しても生産性は上がらない。
AIに任せる分野を決定し、そこで働く人間には退職していただ
くなどすれば、数字上は、すぐに生産性は上がるだろう。
しかし、継続的に生産性があがるかどうかは、あるトレンドで
みていくほかない。
最初の導入時は、あくまで皮算用だ。
企業の人員はそのままで、AIだけを導入すれば、使い方によっ
ては生産性は下がっていくだろう。
現在、セキュリティ部門は、大きな曲がり角にきているようだ。
毎年、多くのセキュリティ・システムが生まれているのだが、
情報システム部門では、セキュリティ・アラートに振り回され
ている、という。
これなどは、セキュリティ・システムが生産性を下げているよ
うなものだ。
他方、どれかわからないのだが、なにかセキュリティ・システ
ムを導入しなければならない、と迫られる。
今、情報システム部門では、稟議を上げても経営職は判断でき
ず、稟議が決裁されないらしい。
AIの導入も同じだろう。
稟議は通っても、AIを導入してなにをやらせたらよいかわから
ないなど、多くの課題を抱えているようだ。
技術が進むと人間の目でわかる範囲が狭くなっていく。
専門的にわかっている人だけが、その効果を知るのだが、多く
の経営職には、その技術は理解できていないことが多い。
本来であれば、AIやセキュリティなどの専門分野は、その任に
あたる人間に権限を委譲するほかないのだが、専門的な知識が
ない人間(経営職)が、あれこれ言ったり、指示を出すごとに
問題を大きくしていく。
本来であれば、専門性が高い分野ほど、ソニー子会社の元社長
がおこなっていたように、一人一人の人間の話を聞き、言わん
とすることを、その人間の情熱から判断するようなことが求め
られる。
当然、この経営者(元社長)は自分で責任を取る覚悟ができて
いた。
もっとも、私を含めて上司や先輩は、社長に責任を取らせない
ように、徹底的に仕事をした。
もちろん、失敗もあった。
正直に社長に話した。
わかった、の一言だった。
次の仕事で挽回しろ、と言われた。
経営者は、自分がわからないことは誰かを信じる以外にない。
日本の経営職に多いのは、とかく能書きをたれるタイプだ。
物事の本質を理解していないのに、ああだ、こうだ、と言う。
そして何も決まらないし、誰も責任をとらない。
経営とは名ばかりだ。
日本企業の取締役会を、私は、サロンといっているのだが、弁
護士の牛島 信氏は『幹部従業員共同組合』と著作に書いていた。
日本の企業社会は、人間は多いが、本当の意味で仕事する人間
は極めて少ない。