中小企業の休廃業や解散件数は増加傾向にあり、経営者の平均
年齢も上昇している。
後継者不在は、中小企業の廃業を進めていくことになり、わが
国の中小製造業は事業承継がむずかしくなっている。
本来、優れた技術やノウハウを持つ町工場が存在しているのだ
から、後継者の確保は必須だが、多くの町工場では、工場を引
き継ぐための社員教育などをおこなっていない。
このため技術や取引先を引き継ぐことができないことになる。
これから若くして創業する人たちは、このような現状認識をも
ち、将来事業を引き継いでくれる人材の育成はかかせないだろ
う。
中小企業経営者の悪いところだが、とにかく自分でなんでもや
ってしまうことが多かった。
また、私が知る創業者は、自分でなにもかもやらないと気が済
まない性格の方が多かった。
このタイプの創業経営者がいる企業ほど、はやくして破産や倒
産した。
経営者が事業の継続を考えているのなら、後継者の育成は必須
だ。後継者育成でもっともよい指導者は、まさに創業者だ。
技術は社員にあっても、経営を学ぶ機会は少ない。
若くして後継者を指名して、指導していくことが必要だ。
とくに資金繰りの銀行交渉と取引先との交渉だ。
この二つは、創業経営者しか指導ができないことだ。
資金繰りの厳しさに、根を上げる人間もいるのかもわからない。
それは後継者の自覚をみるには、とても大事なことだ。
これができなければ、後継者として中小企業を維持していくこ
とはできない。
中小企業の弱点は、家族主義だ。
経営の中枢は家族で担っているところは少なくない。
このような対応を取る創業者は多いのだが、当然だが、中小企
業の領域を超えることは少ないように思える。
要は、大企業にはなれない、ということだ。
大きく事業を飛躍させる創業者ほど、家族よりも他人を抜擢し
ていた。
私が知る狭い範囲だが。
経営とは、突き詰めれば事業の継続が前提だ。
家族経営を継続するのであれば、家族を後継者として指導育成
していけばよい。
また、反対に他人を後継者にする場合、事業のステージごとに
チャンスを与えて実践的に経営を学ばせていたのが、私には印
象的だった。
事業の継続を前提に考えれば、最大のリスクは、創業経営者が
ひとりで高齢になるまで事業の中心にいることだ。
これでは事業を継続していくことを放棄しているようなものだ。
創業者が高齢となり、事業の継続ができないのであれば、はや
い段階でM&Aや法的な清算をすることまで検討しておかなけれ
ばならない。
いずれにしても後継者は、はやい段階で検討しておくことだ。
高齢になれば、M&Aか、法的清算しかなくなる。
創業経営者が倒産や破産まで事業を続けていく必要はない。
これからの時代、中小企業にとって経営は益々厳しさを増して
くることになるだろう。
国の助成や補助金でなんとかなる時代ではない。
創業経営者には、事業継続に対する覚悟と決断が求められる時
代になる。