経営には原理原則がある。
これを無視する経営者がいる企業は確実に衰退していくようだ。
中小企業には、原理原則がないことが多かった。
経営者は稼ぐのに必死だ。
だが、中小企業から脱皮していく経営者には余裕(金にも時間
にも)があった。
決して売上至上主義ではない。
事業が成長していくには、長い時間がかかることを体得してい
る。
従業員が会社に貢献してくれるにも長い時間がかかることを理
解し、ステージごとに経営者自らが学び、そして従業員を支え
ていた。
従業員に学びの機会を与え、ステージごとに必要な知識や能力
を身に着けさせていた
お金もかかるが、まさに人材に対する投資だった。
事業が成長するのは、経営者の成長とともに従業員が成長して
いくからだった。
売上に固執しない。
むしろ利益に固執しており、無理な営業行為をさせないシステ
ム構築していた。
営業数字に固執していた創業経営者がいた会社は衰退していっ
た。
人材を育てることもなく、あらゆる不正が発生し、しかも、従
業員の入れ替わりが激しかった。
経営の基本は、中小企業でも大手企業でも同じだ。
むしろ、中小企業ほど従業員の成長が求められる。
ニデッで起きた不正をみれば、どこに原因があるかは明確だ。
営業数字に固執するから不正がはびこる。
むしろ、この経営者は、不正をしてでも成績(数字)を出せ
といっているのだ。
先日、日本経済新聞にバフェットの言葉が掲載されていた。
その一部抜粋だ。
『ニデックで起きた不正会計問題を見ると、かつて米著名
投資家ウォーレン・バフェット氏が「株主への手紙」に記し
た言葉を思い出す。「『必ず数字を達成する』という経営者は、
いずれ数字を作り出す誘惑に駆られる」
手紙は2002年度のものだ。当時の米国はエンロンやワール
ドコムの巨額な不正会計が表面化、株式市場は会計への不
信感で染まっていた。
先の言葉に加えて、バフェット氏は投資家に向けて3つのア
ドバイスをした。①会計の弱い企業には警戒せよ②理解不
能の注記は信頼できない経営陣の兆候である③業績予想や
成長見通しを大言壮語する企業を疑え――と。
最高経営責任者(CEO)に正面からモノがいえない空気。
独立した立場といいながらCEOの交代を切り出すことので
きない取締役会。株主や取締役のためではなく、CEOの顔
色を見る監査法人。これら一連のガバナンス不全を手紙で
鋭く指摘した』
大手企業の話ではない。
中小企業こそ、基本から事業を見直さなければならない、
と私は感じていた。
とくに日本社会は同質社会であるため、あらゆる機会を通
じて不正がはびこりやすい環境がそろっている。
中小企業の経営者は、談合などに巻き込まれることは少な
いのだろうが、だからこそ、バフェットの言葉を繰り返し
読み返す必要がある。
事業の基本を学べるのは、まさに中小企業時代だ。
事業を成長させ、大企業にした経営者は、中小企業時代に
経営の基本を身に着けていた。
人一倍努力家だった。