むかし、私が在籍していたある企業が上場を目指すということ
でERPを検討していた。
私は、複数の会社でいくつかのERPを導入してきたが、いつも
同じ企業のERPを導入するわけではなかった。
理由は、在籍している企業の条件に合わせてERPシステムを考
えるからだ。
企業規模や業種などによって選択するERPを比較検討してきた。
名が知れた大手企業だけがよいERPをもっているわけではない。
中堅のERPソフトを必ず検討するなかに入れていた。
日本企業のなかでも優秀なERPシステムを構築できている企業
は結構ある。
SAPやOracleといった外資系ERPだけに限らず、国内企業にお
いても優秀なERPシステムはある。
重要なことは、上場会社の場合、成長が求められるため、拡張
性が高いERPを導入することだった。。
そんなERP企業のひとつにオービックがあった。
当時、オービックのERPは、OBIC7という名称だった。
ちなみに現在の名称を調べてみたら同名が使用されていた。
すでに14年くらい経っている。
長い期間黙々と開発を続けてきたのだろう。
4月14日付、日本経済新聞に『オービック営業最高益前期、32
年連続 大型受注が寄与』という記事が掲載されていた。
思わず、むかしの私が蘇った。
当時、OBIC7を検討するために、本社でデモをおこなってもら
った。
数社検討していたのだが、私はオービックのERPを導入しよう
と考えた。
拡張性も高く、使いやすい設計だ、と思ったからだ。
14年の年月を経てオービックは、企業業績を大きく伸ばしてい
たのだが、現在では大手企業への導入支援も進んでいるようだ。
<一部記事の抜粋>
『大企業では海外のERP大手にシステムを委託しているケース
が多い。円安の影響で契約費が上昇しており、割安な国内ベン
ダーへの切り替えが進んでいる。オービックは企業ごとに専用
インフラを構築する「プライベートクラウド」サービスを提供
しており、セキュリティーの信頼性を売りに受注を拡大してい
る』そこにオービックの努力の跡が見える。
残念ながら、私は在籍していた会社をくび(解雇)になったの
で、ERPの導入はできなかった。
その後、この会社が上場することはなかった。
ERPも導入しなかった、と聞いている。
増資をしていたのだがなんための増資かは、私にはみえていた。
現在、創業者は役員のなかにいない。
おそらくだが、今は上場を検討していないだろう。
上場できる要件を克服できていないからだ。
上場を考える場合、まずERPは必須だ。
このようなことを理解しないで上場を言っているような経営者
と、私は話をしないことにしている。
勉強不足も甚だしいからだ。
上場には、金がかかるし、企業の運営には上場前と比較になら
ないくらい意識と業務の進め方を変えてもらわなければならな
いからだ。
経営者に上場全体のイメージができていないケースは多い。
儲けることは、そこそこできているのだが、バックオフィス業
務の複雑さなど知ろうとさへしていない。
上場後、粉飾などする人物は、そもそも経営に携わってはいけ
ない。
ソニーは真面目な会社だった。
ひたむきに経営管理をおこなう。
お金を出し惜しみしない。
経営責任とは、自社の責任で内部監査を徹底して経営判断を明
確にし、責任がとれるようにすることだ。。
監査法人がおこなう会計監査は、会計や上場ルールに基づいて
おこなわれるものであり、日常業務に関しておこなわれている
経営判断の適法性の妥当性をチェックするものではない。
会計監査は、あくまでサンプルチェックだ。
経営責任を明確にするのは、常に内部監査だ。
ソニーでは、ニデックとはまったく正反対の経営がおこなわれ
ていた「のだろう。
内部監査の実効性が効いているから、経営能力が高くなり、経
営判断のレベルを上げていける。
さらに社員の自由度は、必然的に広がっていく。
ERP導入は、上場機能の入り口に過ぎない