米国の貿易赤字は、プラザ合意時から問題があった。
為替を円高へ誘導していったのだから、本来、わが国は、この
時期から内需主導型の産業構造を構築しておかなければならな
かった。
円高になったばかりに、さらにコストダウンを目指した産業構
造を強化してく。
わが国は産業力がついて円高というポジションを手に入れたの
だが、発展途上の意識は抜けることなく、コスト低下のための
仕組みに力をいれた。
そのおかげで輸出は維持し、わが国の貿易黒字は続いた。
トランプ関税に世界は驚いているのだが、米国の立場に立てば、
輸入が増えるばかりで貿易赤字ばかりが目に付く。
もっとも、米国は、それだけ世界中から商品を必要とする消費
大国だ。
いろいろなものを飲み込む力がすごい。
パワーがあるから人、お金、物、情報が集まってくる。
いわば日本の対極だろう。
『2025年の米国のモノ(財)の貿易赤字は、前年比約2%増の1
兆2,409億ドル(約192兆円)で、過去最大を更新した。高関税
政策への警戒による年初の「駆け込み輸入」が主因。一方、8
月の相互関税発動以降は輸入が減少し、10月には16年ぶりの低
水準を記録するなど、期により変動が激しい』と
朝日新聞の記事にあった。
ところが、トランプ関税は米国の輸入に関して、中国からの輸
入は下がっているのだが、隣国メキシコからの輸入は増加して
いる。
全体でみても輸入は増加した、と同新聞は報じていた。
「米国のトランプ大統領が、日本を含むほぼ全ての国・地域に
「相互関税」をかけると発表してから、2日で1年となった。
貿易不均衡の解消が目的だったが、2025年のモノの貿易赤
字額は過去最大の約1兆2400億ドル(約197兆円)に拡
大。今年に入って米裁判所は違法との判決を下し、徴収した関
税の還付も求めるなど、トランプ氏には誤算続きの1年となっ
た」
わが国はプラザ合意以降に産業構造を転換すべきだったのだが、
やはり改革をやらず、旧態以前の大量生産型の産業を維持しな
がら輸出を増やしていった。
それでもグローバル化の流れのなかで、電機産業は、2000
年代に製造業の看板を下ろしていったのだが、自動車産業は、
いまだに生き残ってきた。
しかし、中国の自動車製造業は急激に販売を伸ばしてきている。
とくに欧州ではBEVに限らずエンジン車を含めて販売を伸ばし
ているという記事があった。
いずれにしても、中国車は、今後グローバルマーケットのなか
で販売台数を伸ばしていくのは間違いないだろう。
さらに中国に続き、インドもこれから自動車産業は発展してい
くだろう。
米国市場における自動車の販売競争は、間違いなくこれからも
激化していくだろう。
もっとも、米国では、中国車は現在時点でほとんど輸入されて
いないのだが、今後、輸入を認めていけば、いずれ中国車が米
国市場において一定のシェアを占めていくのだろう。
時間の問題だ。
わが国の自動車産業は、電機産業と同様に、これから淘汰がは
じまっていく可能性が高い。
中小企業は、自動車産業の下請けから逃げ出すタイミングが大
切だ。
おそらくだが、現状のように自社で関税のコストを負担してい
る自動車メーカーは、国内においてさらなるコスト削減をして
いかざるを得ない。
自動車の分野で付加価値が高い製品(車)は、一部の車種だけ
だろう。
プラザ合意の呪いは、これからも日本を襲いそうだ。
そのうえ原油の調達において未曽有の危機が迫っている。
わが家は、すでに有事体制だ。
ただし、有事体制といっても時間の問題だろう。
年内に一定程度の方向性がみえなければ、来年の今頃は、経験
したことがない世界が現れているのだろう。
こんなとき、幼いころの生活がよみがえる。
妻に話すと、あきれられたのだが、田舎の生活は、耐乏生活に
向いている。
私は、どんなときでもリスク管理を少しはするのだが、貧乏時
代の日本の生活体験はありがたい。
これにも感謝しておきたい。