AIエージェントが誰でも使えるようになってくればくるほど、
そのアウトプットはコモディティ化していく。
希少価値は、そうなると知識や資本ではないだろう。
中小企業の創業経営者がやらねばならいことは、人間を知り、
人間が進むべき道を指し示し、事業の実行を担うのに最適な人
間を選択していくことになるだろう。
人間の能力ほどその差は益々開いていく。
なぜなら、AIが仕事の主導権を握っていけばいくほど、人間も
それらに対応するように同じような答えをだしていきやすくな
るからだ。
中小企業ほど人がもっている個別の能力を活用していかなけれ
ば、事業の成長と発展はないといえる。
人間の価値がもっとも必要になるのが、中小企業の現場だ。
AIだけにかかわらず多くのプラットホーム、Microsoft、Google、
Apple、その他のSaasなど欧米で生まれた機能を日本の企業は利
用している。
事業は、このようなプラットホームで差がついてくるのではな
い。
それらのプラットホームを使いながら、そこで働く人間の細や
かな対応、あるいは日本的な要素を欧米のプラットホームに組
み込んでいける、といった日本人の独自性が発揮できる現場で
ビジネスの差がうまれてくる。
企業の独自性は、共通するプラットホームで生まれるのではな
く、常に企業で働く人間をとして生まれるものだ。
事業を成長させている創業経営者は、常にチームや市場をみな
がら、そこで働く人間そのものに焦点をあて、多くの調整作業
おこなっている。
経営者の判断ばかりに気劣られるのではなく、現場でやれる判
断は、判断をくだせる人間に任せ、経営者がやるべき経営判断
に注力しなければならない。
中小企業のよところは、社員の活動がみえること。
さらに適宜社員とコミュニケーションがとれることだ。
気になることがあれば、いつでも声をかけ、社員から求められ
れば、すぐに話を聞くことができる。
社内の動きが手に取るようにわかるだろう。
創業経営者は、自らが解決する問題や課題をすばやくつかむこ
とがもっとも大事なことだ。
中小企業こそ、早期に賭けるべきテーマをみつけ行動すること
が求められる。
他企業が、エビデンスをみつける前に、創業者は確信をもって
狙った対象へ動かなければならない。
いま何が必要か、自分で把握し、一旦立ち止まり、現在の事業
があるべき未来に位置しているのか、それとも問題があるのか
を検証する。
そして、未来のためにこれからおこなう挑戦とそれに必要な勇
気を蓄え、新たな産業を生み出すための行動へ結びつけること
になる。
ビジネス上の問題の答えは、ビジネス書にはない。
とくに今のような危機の時代には、経営者自身で判断していく
いがいにない。
多くのビジネス書は、異なる業界や時代にまたがって、同じよ
うな概念が何度も繰り返されているだけだ。
むしろ成功した起業家が、危機のときどのようなアプローチで
物事を考えていたかを学び、彼らの問いの立て方を知り、さら
に事業を成長させるための設計思想を取り入れることでビジネ
スを構築することも重要な方法のひとつだ。
現状とあるべき姿の隔たりの大部分は人間の認識の問題であり、
その差異から現状を打破できる手立ては生まれてくるものだ。
中小企業の経営は、まさに人間を始点としてあらゆる可能性を
引き出せる玉手箱だ。
中小企業の経営者ほどおもしろい挑戦はないだろう。
しかも、AIではなく人間を相手にできるからだ。