今年は春先から大きな経済変化が訪れている。
変化というよりは、突然訪れた危機への突入だ。
戦争など誰にもどうしようもできない出来事だし、日本におい
ても多くの企業の経済活動が巻き込まれるだろう。
だからといって、なにも手を打たなければ、企業を維持してい
くことはむずかしくなる。
このような危機は、50年に一度くらいだろうが、企業や経営
者にとってはチャンスだ。
このような危機は、強制的に発想を変えさせられるからだ。
人間は、私もだが、普段の環境に共鳴しており、なかなか変化
に対応できないし、変化を起こすことなど至難の技だ。
だが、将来、事業の維持ができなくなる、あるいは倒産する局
面に追い込まれることさへでてくるとなれば、一部の人間に本
当の覚悟が漲る。
経営は、平時でも危機のときでも、本来、未来をみながら変化
をおこしていかなければ成り立たないものだ。
平時に自らを変えられる企業は、常にチャンスをつかんでいる。
むしろチャンスをつかむ仕組みが成立していた。
中小企業ほど、平時の状況が続いていくと思っている。
大企業は、いつも常在戦場だ。
理由は、グローバル環境のなかでビジネスをおこなっているか
らだ。
戦争などなくとも、ビジネス戦争のなかで常に戦っている。
中小企業は、今の状況が続くと考えている経営者が多いのだが、
実際は、少しの環境の変化で事業が傾いていく。
平時こそ大事なのだが、中小企業にはそのような前提があるよ
うには、あまり感じなかった。
だが、今般の中東における戦争は、嫌でも事業基盤を揺さぶら
れることになる。
それが中小企業にとってはよい。
真剣に事業活動を見つめるようになるからだ。
経営者がひとつうち手を間違えば、確実に倒産に向かう。
このような危機の時代は、厳しいが、経営者の能力が明白にな
る。
なにも中小企業だけではない、大手企業の経営者の能力も明ら
かになる。
それこそが時代が変わる転換点だ。
日本は、危機といいながら戦火を交えるような状況は、戦後こ
れまでなかった。
このような環境で政府の支援などをあてにする経営者では、平
時のときの経営でもうまくいくはずがない。
これまでたいした危機意識も持たず経営できていた時代は、単
に恵まれた環境があっただけだ。
これからの時代、長く続いた平穏無事な環境から、私が経験し
たことがないような状況が生まれるだろう。
イランの次は、台湾だ。
この危機に対しては、今から備えておかなければならない。
中東は遠いところだが、台湾は、まさに日本と国境を接する場
所だ。
遠い中東の戦争は、日本における荒天(戦争状態における経営)
準備を示唆している。
台湾有事となれば、なんとかなるだろう、といったレベルでは
ない。
わが国が戦争に巻き込まれる危険性さへあるだろう。
経営とは、どのような状況に至っても事業を守りぬくことだ。
今般の紛争は、まさに日本人にそのことを教えようとしている
ようだ。
決して遠い国の話ではない。