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実力

米国のマーケットを知ることで企業の実力を知ることができた

先日、米国でカップヌードルで有名な日清食品が苦戦してい
るという記事を目にした。
少しネットで日清食品の動向を確認してみた。
『米国における日清食品の即席めん市場シェアは約30%を占
めています。米国市場では、東洋水産が約65%のシェアで首
位を走り、日清食品はそれに続く主要プレイヤーの一つです。
特にカップヌードルや高付加価値製品(プレミアム商品)の
販売が順調で、米州地域は同社の海外売上において大きな割
合を占めています。
市場地位: 日清食品は米国で約30%のシェアを保有。
プレミアム戦略: 「HOT & SPICY」や「Fire Wok」などの高
付加価値商品を積極的に投入しており、2023年度にはプレミ
アム製品が米売上高の5割を超える見込み。
競争環境: 東洋水産(MARUCHAN)が首位(約65%)であ
り、韓国の農心も近年存在感を増している。
成長戦略: 日清食品は2021年に中長期成長戦略を発表し、北
米市場でのプレゼンス強化を推進している。
即席めん市場全体がアメリカで拡大する中、日清食品は現地
の食文化に合わせて麺の長さを短くするなどのローカライズ
を行い、シェア維持・拡大を図っています』とでてきた。

意外だった。
中小企業が学ぶことがたくさんある。
米国では、東洋水産のほうがシェアが高いことだ。
低価格帯の袋めんや生めんの販売数量が高いのだろう。
なんだか、今の日本を思い浮かべた。
売上高は、日清が約7,800億円、東洋水産は約5,100
億円だ。

日本では、日清食品はカップヌードルが有名ブランドとして
販売価格をリードしていているが、あくまでカップめんの範
疇だ。
日本でも、近時、袋めんが売れ出している、と報道されてい
た。米国に限らず日本においてもカップ麺は苦戦しているの
ではないだろうか。
とくに日清食品以外の企業では、販売価格において有力ブラ
ンドであるカップヌードルの売価に対抗していくことになる。

日清食品以外は、価格訴求力を高めるためカップヌードルよ
り低い価格で販売していることが多い。
昨日、あるスーパーでは、カップめんが85円の売価になっ
ていた。ちなみに、このスーパーのカップヌードルの特売価
格は148円だった。

私は、日清食品は日本国内でも苦戦している、と考えている。
理由は、わが国の消費の減退だ。
可処分所得が下がれば、消費における販売価格帯は下がって
くるからだ。
わが家をみていればよくわかる。

米国では、高所得世帯と低所得世帯の格差が大きくなってい
る、と記事に書かれていた。
わが国と似たような消費傾向があるのだろう。
わが国の低所得世帯(わが家もはいる)では、使えるお金が
少なくなっている。
カップ麺は買わなくなった。
その代わり、うどんや焼きそばなどの生めんを購入すること
が多い。
価格が安いからだ。
これらに比べると、カップめんは割高だ。

米国では、日清食品だけでなく、韓国製の麺類も多く流入し
ている、と書いてあった。
消費には、その国の需要にあった価格帯がある。
可処分所得が減れば、購入価格帯は下方へ移動する。
購入できる価格帯にある商品を探して消費者は買うことにな
る。

日本の中小企業が国内で勝負しても勝ち目はない。
有力ブランドと価格勝負するからだ。
ところが、米国というところは、比較的いろいろな商品を受
け入れてくれる。
もちろん、その国の規制が入るものには注意が必要だし、事
故を起こせば、高額な賠償金を覚悟する必要がある。

リスクを考えるのは日本でも同じだ。
それらをカバーしながら企業の独自性を出していけばよい。
とにかく経営者自ら消費地米国に足を運ぶことだ。
日本国内で中小企業が勝負しても、そもそも国民性や人口減
少社会なのだから中小企業の商売は相当厳しいものがある。

韓国の輸出についてAIに確認してみたら、次のような回答が
あった。

『韓国の企業は日本との市場競争力を踏まえ、米国市場の機
会を活用して成長を目指して見られます。 特に化粧品・食品
といった分野で米国市場の重要性が指摘される傾向があると
の指摘があります。

比較のポイント
市場規模と機会
日本企業:米国市場は世界最大級の市場としての魅力。付加
価値の高い日本製品に対する要望が強いとなっている。

韓国企業:米国市場は輸出の中核を判断するケースが多く、
日本企業との競争や協力関係を背景に市場機会を認識する動
きがある。

長戦略と現地化
日本企業:現地の顧客要望に合わせた製品・サービスのカス
タマイズが成功の鍵。米国向けの改良・開発を進める企業が
多い。
​韓国企業:日韓関係・協力を踏まえ、米国市場での競争力強
化を覚悟。分野によっては韓日での優位性の変化を認識する
企業もある』と。

日本企業のなかでも東洋水産は、日本国内で勝負しても日清
食品やその他の企業がひしめいているわけだから、米国事業
に注力しているのだろう。
MARUCHANブランドで差別化を図っているようだ。
近いうち、売上高は、東洋水産が日清食品を抜いていく可能
性もありそうだ。

私は、国内市場だけをみていたので日清優位が続くのではな
いか、と想像していたが、米国市場をみれば、むしろ辛ラー
メンの韓国や東洋水産が健闘していた。
これからの企業業績は、海外売上をみていかなければ、本当
の企業の力はみえてこないようだ。
日本の強者が米国の強者ではない。
だから、中小企業にもチャンスが生まれる、と私は信じている。

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