経理 記帳代行ならエヌエスアカウトスタッフ

人事制度

日本企業は大胆な人事政策ができない、だからこそ中小企業にチャンスが生まれる

日本企業をなかからみてきたが、1980年代までの経済成長は
できていない。
かろうじて従業員の低賃金化や非正規雇用の拡大、あるいは
下請け企業からの搾取で生き残ってきたというところだろう。
米国と比較すれば、この差は歴然だ。
わが国は、今だ製造業が中心だ。

その製造業も東南アジアの経済成長によって、事業基盤は大
きく変化しており、日本企業が、現地採用で苦戦するという
話を聞く。
当然だろう。
今だに1980年代からのマネジメントを引きづっているからだ。
大胆に権限委譲できる機能を待たない企業は、年功序列的な
組織運営や経営の意思決定の遅さはいかんともしがたい。

大手企業に限らず、本来、自由度が高くなければならい中小
企業までもが、硬直的な組織運営をおこなっている。
経営基盤が弱いからだ。
わが国中小企業の輸出割合は、全体の約20%だそうだ。
利益を自ら生み出すか、あるいは将来性ある事業に投資して
くれるパートナーがいなければ事業は発展しない。

先ず、中小企業は自立することだ。
大手企業の下請けでは、未来はない。
あるいは高付加価値の製品をもつことや製造工程が革新的で
なければ、価格交渉力などもてない。
下請法も変わるようだが、この国の大企業は、あらゆる機会
にコスト削減をいってくる。
付加価値がある製品を作れないからだ。
そんな大手企業との取引は、早々に撤退することだ。
とにかく自社の特徴を作りだすことだ。
国内需要が減少するなかでは、先ず付加価値がある製品を生
み出し、たとえ中小企業であっても海外輸出に挑戦していく
ことが重要だ。
そのためにも人材の活用が必要だ。

よいタイミングで大手企業は、黒字リストラを実施している。
中小企業にとって、こんなチャンスはない。
ただし、従来からのマネジメントを見直し、大手企業の人材
を活用できるような組織機能を構築することだ。
それでも中小企業のよいところは自由さだ。
自由さを出せないマネジメントでは人材は活用できない。
大手企業の人材を活用できないのは、私がみてきた範囲では
経営者の資質だった。

どれだけ採用した人間を首にすればよいのだろう、と感じた。
ほとんど人材の浪費だ。
こんな経営姿勢の経営者では、事業は成長しない。
中小企業の経営者は、黙って人材に仕事の裁量権を与え、そ
の成果をきちんと把握することだ。
能力があるものには、地位や権限を与えて抜擢する。
結局、人の評価は現場の仕事でみていく以外にない。
しかも、長期的な観点が求められる。
経営者には、辛抱がいる。
私がみた中小企業の経営者は、大手企業の出身であれば、す
ぐに成果が出せると思っていた。

また、高学歴、たとえば有名国立大学出身の経営者がいるベ
ンチャー企業が、私に企業の紹介を依頼してくる。
私は、絶対そん依頼を受けることはない。
要は、営業力がないのだ。
製品に自信があれば、自ら売ってまわればよい。
こんな経営者は、有名大学出身だけでちやほやされているのだ
ろう。
こんな企業が発展することはない。
きれに着飾った写真が印象的だったが、実につまらい経営者だ、
と私は勝手に感じ取った。

私が在籍していたソニー子会社は、当時の社長が創業期のソニ
ーのなかで育った方だった。
実に、奔放にふるまっていた。
いわゆる人間に味があった。
とても魅力的な人だった。
中小企業の経営者をみてきたが、こんな魅力的な人間が少なか
った。
中小企業が発展するのは、ひとえに人材だ。
営業力があった。
ソニー子会社では、名前で売れない。
タフな営業力が求められたし、それに対応できる人材がいた。
学歴はなかったが、がむしゃらに突進し、契約をとってきた。
この人も個性的だった。

こんな事実を体得できた経営者だけが事業を発展させ、人を
成長させていくことができる。
ドイツではないが、輸出の70%は中小企業が頑張っている。
わが国が元気になっていくには、中小企業を中心とした人間
の存在が大事だ。
大手企業は、これから東南アジアでも苦戦してくるだろう。
わが国の中小企業が先陣を切って、新たな人材活用を見出し
ていかなければならい。
また、それができるのが自由度を兼ね備えた中小企業の強み
だ。

*このコメントは、noteと共有しています。

news allread more

share this one