日本企業は、1980年代くらいまで人材育成に定評があった。
それは、時代背景があったからだ。
とくに1970年、1980年代は画一的な事業運営がもっとも効率
がよかった。いわゆる売れ筋製品の大量生産方式には、画一
的な人材育成が合っていた。
当然、生産方式に合わせて効率よく人材育成ができた。
他方、私が新卒で入社した企業では、わずか1週間(実質5
日)の座学を終えると、先輩と市場にでて実践で仕事をさせ
られた。私にとって、この経験は最高の学びだった。
営業力がついたからだ。
所詮、売るとは、マーケットのなかで自分で売りぬく力をつ
けるものだ、と体得した。
そのやり方も、実に単純なものだった。
その単純さを体得できた。
私は、今でも仕事は、体でするものだ、と思っている。
もちろん、今ではネット販売を利用しながら効率的に販売す
ることも可能だが、それでも付加価値がない商品は価格競争
になっている。
付加価値が高い商品は、ネット販売でも利益を確保できる。
一度、安い価格で問題がある商品を手にした購入者は、二度
とその商品や企業へ戻らいことが多くなるだろう。
私も同様だ。
BtoCの販売は、販売のチャンスは簡単に手に入れることがで
きるが、本当の営業力は、その先だ。
商品価値そのものを購入者が認めてくれてからになる。
売るとは、むずかしいものだ。
BtoBのネットベンチャー企業などが苦戦している。
優秀なアプリを作っただけでは売れない。
特にBtoBでは、販売は簡単ではない。
テレビCMを打てることができる売上レベルがあれば別だが、
ベンチャー企業や中小企業では、どうにもならない。
そもそも金がない。
良い製品を生み出しても販売力がなければ、製品は世の中に
出ない。
現在、多くの中小企業が、他人頼みで販売依頼をしてくる。
こんなことで商品が売れるわけがない。
自社の営業力の源泉は、自社の人材のなかにしかいない。
企業経営のなにかがわかっていな経営者は多い。
だから、新たな製品やサービスが生み出せないのだ。
先ず、自社の社員が開発者を含めて販売先企業を歩きまわれ
だ。
ベンチャーや中小企業が生み出した製品などたかが知れてい
る。世の中に出れば、徹底的にたたかれる。
それがよい。
そのなかに将来自社にとって大事な要素が含まれていること
が多いからだ。
良い製品を作りあげたという自負があるのなら、しっかりと
説明できるはずだ。
そこからが商売だ。
相手は、無視するか、多少興味があれば、鋭く質問してくる
はずだ。この苦労が、のちに利益につながる。
海のものとも山のものともわからないベンチャー企業が作っ
た製品を、私の経歴から依頼するなど馬鹿げたことだ。
私レベルでは、企業の紹介もできなし、そもそも製品を理解
していないので販売の助けをする気もない。
私は人間(社員)に売るための営業行動を実践的に教えるこ
とはできるが、企業の紹介はしない。
また、こんな他者依存型の企業と付き合っている暇もない。
私が仕事を請け負っている企業は、それぞれ個別に営業力が
あるし、付加価値が高い製品やサービスを提供している。
人材も優秀だ。
私に企業の紹介を依頼してくることもない。
経営者、社員ともに自ら販売先を開拓できる力がある。
だからこそ、毎年売上を上げ、利益を確保することができる
のだ。

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