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事業拡大

中小企業の経営者は社員の能力を把握していない

中小企業の経営者は、社員の能力を把握していることが少な
いものです。理由は、経営者がはじめから社員の能力を低く
みているからでした。
実際、私が経験した中小企業の社員は優秀でした。
とくに電気工事をおこなっていたある企業の社員は、そのま
まソニー子会社に引き抜きたいくらいの能力がありましたが、
経営者は、まったく社員の能力を理解できていませんでした。

このようなケースは、中小企業の経営者には、結構あること
を知りました。どうしてこのようになるのだろう、と考えて
みましたが、創業の能力と普段仕事をする能力には違いがあ
ります。
経営者は、創業する力はあるのですが、現場の日常的な仕事
に関して理解していないからです。ソニーのように大企業に
なった経営者は、創業期、現場とともに仕事をしていたよう
です。経営に胡坐をかくことなく、長い時間現場とともいた
と知りました。

井深さんや盛田さんと創業期を共にしていた私を採用してく
れたソニー子会社の社長は、当時の様子をよく話してくれま
した。その社長が、社長室に閉じこもらいのも創業期の経験
だそうです。
現場をよく一人で歩いていました。
直接社員の話を聞き、現場の仕事の状況を自分の目と耳で把
握していました。まさに体を張って現場をみていました。

現場を把握するという意味では、戦後起業したソニーのよう
な会社は創業経営者によって大企業になっていましたから、
創業者の下で働いた人たちにもオーナーシップが備わってい
たように感じます。
とくにソニーの人たちにはそう感じました。
事業は現場からはじまることを本能的に体得しています。
だからこそ、会議だけで物事を判断することがありません。
私の仕事でさへ現場で確認していた、と思います。
社長には、仕事以外で懇意にしてもらいましたが、仕事では
他の社員同様厳しい姿勢で対応されていましたから、その厳
しさに必死についていったものです。

私がみた中小企業では、創業経営者が現場をみていたとして
も、現場の社員に実践的な教育が必要だ、と感じました。
たとえば、自分の給料がどこからくるのか、私は図解で理解
させました。
売上高と付加価値の関係が理解できれば、現場の工事担当者
でも仕事が空いているとき営業をやらせました。
はじめは自分たちだけ営業活動ができないので、私が資料を
つくりいっしょに同行して、企業を訪問しながら実践で学ば
せました。
新規契約が取れ、実際仕事をして売上金が入金されれば、社
員は納得して営業活動をやるようになります。
自分の努力が給料に直結するからです。

このような点で大手企業の現場を知る人材は大切なのです。
能書だけたれる人はいりませんが、現場を知り、いっしょに
行動できる大手企業出身の人材は、中小企業では重要です。
いっしょに仕事をやりながら学ばせていける人間が必要なの
です。大変な仕事ですから献身的にやれる人が必要です。
中小企業の仕事では、コスパやタイパだけで判断する人間は
いりません。
頭と体をつかった力技ができる人がいります。
創業経営者でも自分でやれる人はいるのですが、極めて少な
いと思います。これができる創業経営者の努力は並大抵のも
のではありません。
それゆ大手企業の人材を活用することが求められるのですが、
ここでも問題があります。
創業経営者は、大手企業の人材にコンプレックスをもつから
です。このため両者の相性はよくありませんが、それでも創
業経営者が努力して活用しなくては、企業は大きくなりませ
ん。
組織化は、企業規模が拡大するたびに、この繰り返しを実行
することになります。
中小企業とは、あらゆる点で伸びしろがあるから大手企業の
人材が必要になります。

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