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中小企業

中小企業の仕事は属人化がやっかいだ

中小企業の多くではジョブローテンションなどない。
だいたい長くからいる社員がそれぞれの仕事を抱え込んでいる。
私が担当した総務人事や経理は、とくに属人化しやすい。
創業経営者の脇で長く仕事をやってきているため、自分の仕事
=社長の仕事だ、と思っていた。
部長職で上司であっても言うことはきかない。
担当者からすれば、上司は社長だ。

外部から来た人間などの指示は受けないという強い意思がある。
株式公開する場合、人事や経理はERPで業務の標準化をおこな
う。担当者の有無を言わせず業務改革をおこなうことができる
のだが、問題は、株式公開などをおこなわない中小企業だ。

私は、業務の進め方に問題があると考えて、担当者が抱え込ん
でいる業務を引きはがそうとすると強烈な抵抗にあう。
それでも経営者が担当者へきちんと指示をだせば、渋々、私の
指示に従うようになる。
最悪なケースは、経営者が明確な指示を出さない場合だ。
この場合、当然だが、私と険悪な関係になる。
私は担当者の敵だ。

こんなケースで経営者が優柔不断だと、私がやるべき仕事はな
くなる。
当然、退職だ。
このような中小企業は変われないなし、事業が拡大発展するこ
ともなかった。
このような経営者がいる企業は倒産した。
担当者は、どうなったのだろうと思ってしまう。
しかも、このような企業の担当者の給与は高額だ。
経営者は給与の相場など理解していない。
自分の判断で給与を決定していた。
どからだろう、担当者は長く働くし、めったなことで辞めない。
こんな担当者は、失業したとき自分の社会的地位(給与相場)
を知ることになる。

中小企業の仕事は、先ず日々の業務に追われ、マニュアルを作
ったり、後輩を指導したりする余裕がないことが多い。
標準化されたシステムがなければ、自分の仕事は自分でやった
ほうが早い、ということが日常化する。
また、情報の意味を理解していない。
情報共有などと無縁だ。
標準化されていないので、現場は、いちいちこれは誰に聞けば
よいとなる。業務の全体像や細かなことは、一人の担当者の頭
のなかにあることがほとんどだ。
とにかく無駄に時間がかかる。

なにかやろうとすれば、それは社長へ確認してからなど、社長
の秘書のような対応していることも多かった。
社員は、この秘書のような担当者へこびへつらうことになる。
私の場合、このような担当者を飛ばしてずけずけ社長へ話をも
っていく。
結果は、うまくコミュニケーションが取れて標準化作業を支援
してもらえるか、社長とうまくいかず解雇されるかのどちらか
だった。それも覚悟の上で転職してきた。

中小企業の場合、仕事ができる=属人化(自分しかわからくし
ている)だ。自分のスキル=私しか知らいこと、といった単純
な理由だ。たいしたスキルではないのだが、本人はまじめにそ
う思っている。
株式公開では、システムの導入で業務を引きはがすため、この
ような担当者はあっという間に退職することが多かった。
自分のプライドが許さないないのだろう。

だが、経営を刷新していくとは、世の中の流れに基本的な業務
のやり方を合わせていくことだ。
誰でも同じ仕事ができるようにする。
もっとも、これはこれで現在は問題を引き起こしている。
AIの進出で事務職や管理職の仕事が不要になってきたようだ。
こちらは別の機会に、その問題点を書いてみよう。

属人化が他人と差をつけるための武器だという意識が働けば、
ノウハウを共有することにためらいを感じるのは自然な心理か
もしれません。
チームの成功より個人の手柄が評価される環境では、知識(業
務)の囲い込みが起きやすくなる。
だが、間違いなく会社が発展することはない。
生産性が低いうえに、事業規模が拡大すればするほど、社内に
矛盾が生じてくる。
売上や利益どころではない。
社内は、騒然とした毎日になる。

経営者は、標準化の意味を知らなければならない。
また、システムを導入して標準化すれば、経営がうまくいくわ
けではない。
常に自社の売上と利益の源泉を知り、そのための施策を打って
いかなけてはならない。
しかも、他社と違う工夫が必要だ。
標準化は、自社でなにかの工夫をするための時間を作り、さら
に人間に考える余裕をもたせるためにある。
事業を拡大するためには、常に独自性がある仕組みや製品の開
発、あるいはサービスを生み出すしかない。

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