IMDが世界競争力ランキングの発表を開始した1989年、日本
は世界1位でした。私は、この年に転職を敢行しました。新卒
で入社した企業に将来性が感じられなかったからです。とき
はバブル経済の絶頂期でした。この年、ランキングの2位はア
メリカ、3位シンガポール、4位ドイツ、5位スウェーデンでし
た。
日本は4年連続で首位を維持し、バブル崩壊後の1997年に前年
4位から17位に急落してました。2010年代は20位台に低迷し、
2019年に30位となりました。その後も下降が続き2020年34位、
21年31位、22年34位、23年35位と30位台に低迷し、2024年に
は38位まで順位を下げました。
2024年版ランキング1位はシンガポールです。先進主要国では
アメリカ12位、オーストラリア13位、中国14位、カナダ19位、
韓国20位、ドイツ24位、イギリス28位、フランス31位です。
まさに栄枯盛衰なのです。
しかも、問題は日本の経営者の能力はワースト3位となってい
ることです。得意分野で価格競争力がある部品やサービスを
もたない中小企業は、大手企業の下請け仕事だけでは先行き
危なくなるのです。もっとも、技術力や得意分野がある中小
企業でも国内産業に依存すれば、経営は危うくなりそうです。
技術やサービスを海外展開することに挑戦しておかなければ
なりません。人材は、大手企業が吐き出してくれます。
中小企業が成長しない限り、日本の復権はありえない理由が
ここにあります。時代の変化をいち早くとらえて挑戦するこ
とが企業存続のカギになりそうです。