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経営

真面目くさったことより遊び心だ

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれたのは、つい先日
のような気がする。私が営業職をしていた時代だ。
だが、この当時から日本の先行きには課題ばかりがみえていた。
私は斜陽産業にいたからだろう。その後、この業界は市場縮小
の影響を受けて、合併や倒産が増えた。私の予感は的中した。

私は、斜陽産業からこれまた斜陽産業に近づいていた電気業界
へ転職した。しかし、ソニーは斜陽産業から新たな分野へ挑戦
をはじめた。
映画とゲームだ。
どうしてこうなったのか、いきさつはあまたある書籍にゆだね
る。いろいろな要因はあるのだろうが、要は、ソニーは挑戦が
好きなのだ。
私は、これしか思い当たらない。
挑戦するとは、とくに分野など関係ない。
新たなものを作りあげるだけだ。

私は、その後、ゲーム業界へも身を置いた。
ソニーがゲームに参入した当時、ソニーのゲーム会社は、各ゲ
ームソフト会社が開発したゲームソフトを買い取っていた。
もちろん、契約数量はあるだろうが、返品がなかった。
ゲーム会社の社長(私がいた会社)は、それだけでも資金の回
収がすぐにできた、と喜んでいた。
今では、このようなシステムはないだろう。
新規参入時におけるゲームソフト開発会社の囲い込み戦略だ。
PSに対応するソフトが増えれば、製品も売れていく。
ゲームソフトは、販売の肝だった。

ゲームソフト会社の参入が相次ぎ、競争が激化していった。
私が在籍していた会社も、そんな競争のなかにいたが、勝ち残
ることはできなかった。多くのゲームソフト会社が淘汰された。
ゲームメーカーも淘汰されていったが、PSには、現在でも多く
のタイトルがある。
隔世の感がある。
ソニーのPSは、もともと任天堂のゲームソフト用製品として開
発されていたのだが、任天堂から契約を破棄されたので、自前
で挑戦しただけだ。
それが今ではソニーの収益源となっている。
瓢箪から駒が出たわけだ。
ソニーのよいところは挑戦したら徹底的にやることだ。
映画もしかりだ。

挑戦していれば、なにかに当たるものだ。
小さな会社でも同じだ。
人間は、挑戦することがすべてだ、と私は考えている。

私がいた時代のソニーですら日本的経営の二本柱である「終身
雇用」と「年功序列」が、当時はまだ残っていた。
もちろん、抜擢人事もやってはいたが、多くはなかったと思う。
ソニーは、日本企業のなかでは、柔軟に物事に対応していく。
組織自体(社員自体でもあるが)が柔軟な構造をもっていた。
いわば中小企業型の構造だ。
私がいたのはソニー子会社だったので中小企業そもものだった。
大賀が社長なら、俺も社長だ、とうそぶく人物だった。
ゆかいでおもしろい。

強烈な成長時代は過ぎ去り、今の日本は低成長国になりさがっ
た。かつては名目GDPランキング(IMF)で米国に次ぐ世界2
位だったが、その後、中国に抜かれ、2024年に人口が日本
(1億2389万人)より少ないドイツ(8471万人)にも抜かれ4
位になり、そして、今年はインドにも抜かれ5位となるだろう
と予想されている。

別な意味で隔世の感がある。
昭和は、かなり異常な時代だったが、日々成長している実感が
あった時代だった。
私が生きた時代は、いいものを安く販売する時代だったが、こ
れからの時代はおもしろいものを高く売らなくてはならない。
ソニーのゲームや映画と同じだ。
まんがは、そんな世界を構築している。
真面目くさったことより、遊び心だ。
まんがやゲームに限ったことではない。
生き方だ。
他人など気にすることはない。
いつも遊び心で学び、遊び心で挑戦することだ。
私は、ソニーという会社からそれらを学んだ。

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