ある記事にあった。『2024年に日経平均株価が史上最高値を
更新し、「間違っていなかった」「30年は失われていなかっ
た」といった威勢の良い掛け声が方々から聞かれました。し
かし、その同じ2024年に、かつて世界2位(2000年時点)
だった日本の1人当たり名目GDP(IMF統計データによる)
が、前年の33位からさらに38位まで落ちたことについては、
あまり議論がなされませんでした。
また、日本は先進国の中では最も給与水準の低い国となり、
現在は中国・韓国はもちろん、タイやフィリピンよりも低く
なり、OECD参加38ヵ国の中で、日本より給与水準が低い国
は、ラトビアやリトアニアなどの旧共産圏と、メキシコやギ
リシャなどの債務国のみとなっています』と。
上場企業や大手企業は、利益が出ており株価だけをみれば、
いかにもわが国は問題がない状態のようにみえてしまう。
ところが実態は、問題だらけの国になっている。
別な記事では、トヨタなどが下請けに部品値下げを要求、
とあった。
自動車産業の問題は、海外における売上が高いことだ。海
外要因に影響される産業の問題点は、付加価値が少なく、
わが国のような重層的な構造、いわば中小企業にコスト圧
力を分散しながら自社の利益を確保していることだ。特徴
がない部品を作れば作るほど中小企業は、大手企業にぼら
れていく。体力勝負になる。
中小企業が大手企業に依存するのは、やむを得ないことだ
が、常に自社で独自の製品をもつことが大事だ。株価だけ
が高く、国民や中小企業が貧しくなる国のシステムはなに
かおかしい、と思うことだ。
解決策は、足元にしかない。そしていろいろ学びが必要に
なるだろう。
大手企業でも好業績を出しているところは、海外からも広
く学んでいる。ミクロでみれば、言葉は汚いが、下請け会
社を太らせながら利益を出している。大手企業が要望する
ものを独自の技術でいかに生み出すかの勝負だ。中小企業
では、先ず利益を出している大手企業をみつけ、自社がで
きる役割を認識し、十分な利益を確保できる納品単価を設
定し、受け入れない大手企業があれば、中小企業側からさ
よならすることだ。成功体験が企業を強くしていく。他方、
成功体験だけに溺れてはいけない。常に他者から謙虚に学
ぶ習慣をつけておくことだ。