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雇用形態

今の時代はジョブハギングらしい

私の時代は、ジョブホッピング(転職の繰り返し)の時代だ
と言われていた。調子に乗って挑戦したが、ろくなことはな
かった。しかし、自分の性分なのでしかたない。後悔もない。
会社にしがみつく意識すらなかった。
こんな危ないところからは、はやく脱出だ、と行動した。
ソニー子会社の社長と出会ったことは至福の人生となった。
挑戦したことに意味があった。
すばらし人生の思い出となった。

近年、北米では労働市場が鈍化し、現在の職にしがみつくジ
ョブハギングが増えており、ジョブホッピングに取って代わ
りつつあるようだ。
転職を繰り返す人は、これまでよりも給与を大きく増やすこ
とはできず、職にしがみついている人は、現時点で、今のと
ころ転職しない方が安全だろうと考えているらしい。
これまでと逆のパターンになっている。

そういえば、日本の若者も終身雇用がよい、と言い出してい
ると、なにかの記事にあった。若者たちは未来に敏感だ。
ジョブ型雇用といっても終身雇用を考えているのだろう。
なかなか堅実だが、これから日本企業を襲う経済の変化は、
日本企業がこれまで経験したことがない内容になるのかもわ
からない。
世界は混沌としてきた。
安定の時代が去っていくようだ。
ジョブハギングはよろしいが、企業がなくってしまえばそれ
までだ。また、日本企業も米国などと同様に経済状況に応じ
て雇用の削減を真先にやるだろう。
日本の大企業で生き残ることも大変だ。

雇用の不確実性は、実は、いつの時代でも同じだ。
昭和の時代、日本の大手企業では、終身雇用制ができた企業
が多かった時代だった。経営状況によっては、終身雇用制が
維持できなくなれば、リストラは当然だった。
それでも長くひとつの会社に勤めていたほうがメリットがあ
った。企業年金や退職金などは、その典型だ。
労働者は、現在の職に必死にしがみつくというよりは、これ
が当たり前の環境であり普通に勤めていただけだろう。
私のように転職ばかりする人間は、特殊な存在だ。
今後は、今の仕事がうまくいっているからではなく、これか
らの世の中の動きが不確実性が高くなることが予想されるこ
とで、ひとつの企業に長く勤務することを望んでいるのでは
ないだろうか。
大手企業の早期退職や物価の高騰、トランプ関税などによる
経済の悪化などが見られているのだから、雇用や賃金などの
不確実性はより高まり、労働者の不安はこれまでにないほど
増大してくると思われる。
経済が極めて不透明ななかでは、新しいチャンスに飛びつく
よりは、現在の職に留まっている方が安全だ、と考える労働
者が増えているのだろう。

経済だけでなく政治も混乱している。
政治や経済に限らず、仕事の不確実性は脅威であり、心配や
不安の種になる。
職を失う前に精神的なダメージがくる。
しかし、本来キャリアに不確実性は当たり前だ。
将来のことなど誰にもわからない。
ある程度の不確実性と付き合っていかなければならないし、
現在の職に固執するのが、仕事がなくなるかもしれないとき
であれば、人間として自然な反応だ。

本来、企業は、結果としての長期雇用が望ましい。
この点では、中小企業こそ昭和の終身雇用を目指すべきだ、
と考えている。
なんといっても社員が安心して働ける場が大切だからだ。
少々賃金が安くてもよいだろう。
大手企業のように稼げるのであれば、大手企業以上の賃金水
準でもよい。中小企業の場合、人がいないからこそ終身雇用
制にしておくべきだ。
終身雇用ができる経営を目指せだ。
これまでの実態は、人が変わることが当たり前の企業が多す
ぎたように思える。私が知る範囲だから正確ではないだろう
が、中小企業では、労働人口が多かったことで、人を単にコ
ストとしてみていた。しかも、いつでも採用可能な代替可能
な存在としてみていたようだ。

私のお客様の企業では従業員の長期雇用が続いている。
少ない社員数(10名弱だが)だが、みなさん長く働いている。
事業は着実に成長し、利益は、この厳しい時代だが増加して
おり、従業員の賃金も上がっている。
大手企業のような福利厚生もないが、だいたい従業員は職住
接近型で働くことができている。
大手企業と比べることはできないが、従業員のみなさんは安
定した生活ができているのだろう、と想像される。
社員のチームワークもよい。
小企業のお手本のような企業だ。
しかも、付加価値が高い事業をおこなっている。
これからまだ伸びていくだろう。
中小企業の理想的な姿がある。

日本でもこのような企業はたくさんあるのだろう、と思う。
私が知らいないだけだ。
中小企業に人が定着すれば、未来がみえてくる。
人を使い倒す雇用は、人口減少社会においては致命的だ。
みなが大手企業で働くことはできない。
中小企業は、雇用の点から大切な存在だ。
また、そのような企業のなかから将来の大企業は生まれる、
と私は信じている。

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