AIは、日本の失われた30年を世界へ連れていくようだ。AIの
話は、人員削減の話ばかりだ。なんだか、日本がおこなって
きたコスト削減経営と同じように思える。グローバルな経済
環境までもが、日本と同じようなコスト削減経営の状況が生
まれようとしている。不思議なことだ。
だが、資本主義とは、資本家が富を収奪する機能だから、こ
のようにコストとなる人間を排除してでも自社の利益を確保
することを優先するのだろう。
社会の構成などお構いなしだ。社会に失業者が溢れようと無
関係だ。企業(資本家)とは、常に富を奪うことで成り立っ
ている。人口が増加する社会では、人間の行き場がなくなる
だろう。もっとも、このような時代背景を逆手にとる人間が
必ず現れるのも人間社会のよいところだ。人が必要な仕事は
いくらでもあるのだが、社会全体で消費を増やしていけるか
が問われる。いわば多くの人間に幅広く賃金がまわる経済環
境が求められる。国内経済の不安定化は、国の指導者を危な
い方向へ向けさせる力をもつ。経済の安定が必要な理由のひ
とつでもある。
これから世界においてAI不況なる言葉が作られそうだ。日本
だけは、人口減少とAIなどの開発がへたであったり、活用も
中途半端なものになりやすいことから、案外、人員削減にい
かないのかもわからない。むしろ、世界的な経済不況によっ
て日本の大手企業の業績は悪化してくるだろうが、それでも
可能な範囲で雇用を守ろうとするのが日本企業の特徴だ。
世界の景色といつも違うのが日本だ。良い意味でも悪い意味
でもだ。世界の経済をリードしていた米国経済にも危ない状
況が生まれようとしている。大手企業やその下請けには直接
的な影響がでるだろうが、中小企業や国内を主戦場にする大
企業にとっては、悪影響は少ないと思われる。もっとも経済
環境が厳しくなるほゲームチェンジャーが現れる。中小企業
にとって不況は、自社の進むべき道がみえる時代だ。厳しい
環境は悪いことばかりではない。
新たな道は、常に人が作る。
AIだってそうだ。人が作ったものだ。どのように使われるか
は別なのだ。