今年度の最低賃金(時給)の引き上げ目安が4日、過去最大
の63円(6・0%)と決まった。長引く物価高を反映した
形で、最低賃金の全国平均は過去最高の1118円と初めて
1100円台に突入する見通しとなった。ただ、急激な引き
上げは「副作用」も伴う。政府は「2020年代に全国平均
1500円」との目標を掲げているが、道筋は不透明だ、と
読売新聞が報じていた。
中小企業ほど、先を見た経営をしておくことだ。1500円
の時給で、仮に月間170時間働いたとしても、月額賃金は
255,000円だ。これを高い賃金というのだろうか。私は
安いと考えている。私が知る中小企業では、これ以上の賃金
を支払っている。当たり前だ。時給1500円以下では、そ
もそも生活ができないだろう。
最低賃金の議論は、パートやアルバイトをメインにしたもの
だ。いつまで非正規雇用を最低賃金に張り付けておくつもり
だろうか。このような賃金でしか労働者を使えない企業に将
来性があるわけがない。現状は、賃金が上がらない副作用だ
らけだ。
中小企業の経営は、厳しくなるばかりだが、それがよい。真
剣に考えて行動できるようになるからだ。社員の活用方法も
違ってくる。単なる労働力ではない。経営とは自社の変数を
大きくすることだが、人間ほど良い場合も、悪い場合もその
数値は大きくなる。経営者も変数だ。自分を磨かくことで数
値が変わる。
わが国の最低賃金の議論で一喜一憂するような経営では、先
は知れている。売上規模にかかわらず、利益を確保している
企業は、最低賃金の議論など無縁だろう。さらに賃金を上げ
ているのが現実だ。利益を出している企業ほど社員を活用で
きている。