イチロー選手が尊敬している人は、元オリックス監督の仰木
彬氏だという。オリックス時代自分を引き上げてもらった人
だからだ。人間の出会いは不思議だ。世界的に有名になる人
には、必ず出会いがある。たぶんだが、有名にならなくとも
人には、出会いという人の縁があるようだ。
野球も職場だ。自分の能力を開花させなければ、一軍で仕事
はできない。そのきっかけを作ってもらうのが人との出会い
だ。仰木さんは元西鉄ライオンズの出身だ。私と同じ福岡県
の出身だ。私が知っていたメンバーは、稲尾さんや中西さん、
あるいは東尾さんくらいだった。それから黒い霧事件で永久
追放になった池永さんくらいだろう。
仰木さんを知ったのは、ずっと後のことだった。野茂さんを
育ててもいる。常識を疑った人だったようだ。人には個性が
ある。個性を伸ばすことができる人だったようだ。そして見
事に開花した。本人の努力によるところが大きいが、その場
がなければ才能は開花しない。
日本でも多くの才能がある。中小企業ほど人の才能を大切に
する場所はないだろう。そもそも人がいないからだ。オリッ
クスは人気球団ではない。そのようななかで人の才能をみわ
ける人がいたからこそ、世界へ羽ばたく人材がでる。大谷選
手も同様だろう。山本投手もだ。才能は、普通の人のなかに
眠っている。
本来、人が資本の中小企業の経営者ほど人の才能を開花させ
ることができるだろう。だが、そのような経営者は少ない。
今一度、自分の足元をみることだ。才能は身近な人間のなか
にある。