今の若者は、企業で長く働きたいという人たちも多いようだ。
ある企業の調査によれば『「最近の若者はすぐ辞める」という
イメージは、もはや過去のものかもしれません。2025年の新
入社員調査では、6割以上が「今の会社で働き続けたい」と
回答し、その理由として「職場の人間関係の良さ」や「チー
ムワーク」を重視する傾向が明らかになりました。給与や安
定も重要視される一方で、仲間と協力し合える環境こそが、
若手の定着と活躍の鍵となっています』となっていた。
ところが大手企業では、長く働くことがむずかしくなってい
る。理由は、経済情勢だ。国内では人口減少によって市場は
縮小している。グローバル経済は、ウクライナ戦争などによ
る影響を受けており、さらにトランプ関税がのしかかってき
た。大手企業にとって成長を妨げらる要因ばかりだ。
このような影響を受けてくれば、わが国の特徴であった終身
雇用制はこれまで以上に不安定化していくだろう。現在でも
大手企業では早期退職を進めているところが多くなってきた。
しかも日産では、工場閉鎖だ。大手企業における勤務が長く
できるかどうかなど、誰にもわからない状況だ。
とくに若者たちが求めている内容なかには『離職意向者が求
めるものには明確な違いがありました。勤続意向者は「チー
ム一丸となって取り組む仕事」(53.2%)や「楽しくてやりが
いのある仕事」(72.5%)といった項目を、離職意向者よりも
高い割合で選択しました。これは、個人の成功だけでなく、
組織への帰属意識や仲間との一体感を仕事の喜びに繋げたい
という思いの表れでしょう』とあった。
どちらの希望も、今の大手企業ではむずかしくなってくるも
のばかりだ。
他方、長く社員に勤務してもらいたいのが中小企業だが、現
実は、これまでもむずかしい環境にあったわけではないが、
経営者と社員両方の意識低さによって、中小企業ほどチーム
ワークが必要なところはない、と私はみてきた。中小企業が
生き抜いていくことがむずかしい時代になってきたのだが、
だからこそ、今の時代の若者たちの考え方を知ることが必要
だ。そこに事業成長させていくヒントがある。