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中小企業

楽しさは伝搬する

給与水準の急上昇は、新入社員全般や一部の転職者のなかで
みられている。わが国の賃金水水準は、確実に上がってきて
いるの間違いないが、まだ物価上昇分には追い付いてはいな
い。賃金水準が上がることは良いことだが、しかし、わが国
のように人口減少社会で上昇していく賃金には課題がありそ
うだ。

単に人手不足による賃金上昇では、人がもっているスキルや
能力が開発されることが少ないと思われるからだ。人員に欠
員がでれば、賃金を上げて補充採用しなければならない。
実際、そのようになっているようだ。
むしろ、今まで在籍して貢献してくれていた人間のほうが、
仕事はできたし、賃金は安かった、という話を耳にする。

今のような人口減少社会は、後任者(新しく入社する人)は
賃金は高くなるが、仕事の能力は低いというケースが多くな
るだろう。
人材に関して、きめ細かく選択できる余地が少ないうえに、
欠員補充としての人材は、賃金を上げて採用しなければなら
ない状況が生まれる。企業にとっては、賃金やスキル、ある
いは能力を含めた採用における選択の幅が少ない時代がきて
しまった。
人材採用における硬直した時代の到来だ。
しかも、長期雇用の場合、企業業績によっては余剰人員が増
えていく。社員全体で昇給するだけの余力がない企業は、将
来性がみえない状況が続くことになる。一部の企業では、早
期退職が増えている。

若い人の欠員は、若い人で補充するのだろうが賃金水準とス
キルは乖離していくと言わざるを得ない。
それが人口減少していく社会の厳しさだ。
経営内容を抜本的に考え直さなければならない。
会社にとって必要な人材が辞めていく企業ほど組織に課題が
あるということだ。残念だが、組織は人が作っている以上、
簡単に変われない。

大きな企業ほど、その傾向が強い。
もっとも、中小企業のオーナー経営者も同じ傾向になってい
た。それでも組織運営を変えていく可能性が高いのは、中小
企業だ。
マネジメントは、むずかしく考えることではない。
中小企業のよいところは、そもそもなにもないからだ。
作っていくことだけを考えておけばよい。
作るという行為は、未来をみることでもある。

少ない社員たちと未来を語れるのが中小企業だ。
中小企業の組織には賃金よりもおもしろさがなくてはならな
い。
楽しくないところに未来はない。
経営者は、楽しさを生み出すことだ。
楽しさは伝搬する。
ゆかいな会社だという評判が人を集めることになる。
金はないが、楽しさがある会社を作ることだ。
中小企業が賃金で勝負しても、所詮大手企業にかなわない。
賃金だけで勝負すればじり貧になる。

今の時代、お金はないが人間の心理を理解できることが、中
小企業経営者には求められている。
経営者然とした人は、中小企業に向かない時代がきてしまっ
た。考え方によっては、良い経営者が生まれる素地ができた
とも言える。
中小企業は、お金で勝負できないことが強みだ。
ドジャースではないが、大手企業の中古品(かなり失礼な表
現だが)を改良できる人間力があれば、人材はおもしろいほ
どいる。

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