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中小企業

中小企業がもつ雑然さは有効な機能のひとつだ

中小企業のよいところは、雑然性だろう。ソニー子会社は、中
小企業だった。雑然性の塊だった。ルールはあるのだが、それ
は最低限レベルで機能しているだけであり、どちらかといえば、
人間中心だっただろう。上司、先輩と私がやる仕事は、まるで
部活だった。

自分たちがルールだった。そんな環境はおもしろくないわけが
ない。もちろんその他多くの人たちは、ルールに基づいて行動
してもらった。私たちだけが、ルールブレイカーだった。
会社というところは、人間が活動する場なのだから、本来は、
あらゆるものを会社として、組織として、きれいに整備すべき
かどうかは考えものだ。人間の自由な発想や行動を縛るからだ。

この点、中小企業はよいのだが、多くの中小企業は、創業者が
ルールーだった。これが問題だ。会社というところも、人間が
作っていく以上、習慣化、あるいは企業文化として組織の構造
が決定されていく。ソニー子会社との違いとは、まさにこの違
いだった。ソニー子会社の場合、解放系の行動が可能だったが、
中小企業の場合、束縛系の行動を促されたことだ、と私は考え
ている。制度以上に、創業経営者の意思に縛られた。

組織文化や習慣には、本来、仕組みに乗れないようなもの、い
わば非公式なやりとりや関係性が必要であり、この点が見落と
されやすい。特に中小企業の文化には、創業者の意思よって形
が確立されているケースが多くあった。良い文化とは、そもそ
も曖昧であり、周辺といわれるへりでおもしろいことが話され
ていたりする。良い感じがする文化ができているようであれば、
その状態が正解であり、むやみに制度化することは避けたほう
がよい。

日本人は、制度化することが好きな人間が多いように思える。
私もその一人だ。だが、ソニー子会社で体験したように、制度
の縁に事業の可能性があることも多く、制度化に過度にこだわ
るより、そのような人たちをサポートできる弱い仕組みも必要
だ。
弱い仕組みというよりは、経営者が、そのような人間をサポー
トしていたのが、ソニー子会社の実態だった。

これなどは理屈抜きに中小企業でできることだ。中小企業は、
経営者に権力が集中しているからだ。だが、実際はこれができ
ない。どうしても硬直した組織運営になり、柔軟に対応するこ
とができず、みすみす事業の種を失っていた。本来、中小企業
の組織運営こそ、非制度の部分を活用しなければならない。
まさに経営者の発想の転換だけで事業を成長させていくことが
が可能となるからだ。

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