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組織

クルト・レヴィンの言葉が蘇る

日本の組織は、クルト・レヴィンが着目したような人間に張り
を持たせることが極めて苦手だ。過度のマニュアル主義や画一
的な組織運営などに偏っている。その影響で若手の社員は伸び
悩む。人間は、本来レヴィンが言ったように『「今のままでは
駄目だ」「何かが欠けている」「まだ足りない」』というその人
がもつ気持ちが、その人を向上させていく。さらに、今だ改善
されていない課題や満たされていない動機が、自らの意識に
上がってくることで自立した行動ができる。

ところが、日本の組織は長く、このようなタイプの人間はいる
のだが、排除しながら組織運営をしてきた。理由は簡単だ。そ
のほうが効率的だったからだ。今でも、その名残はたくさんあ
るだろう。
ソニー子会社時代は、まさに自立した(かなり個性的な)人間
に仕事を任せていた。理由もシンプルだ。ソニーは、そのよう
にして大企業になったから、という単純明快な答えだった。答
えだけでない。入社したその日からそうだった。

私は驚くばかりで、上司の後をくっついて歩いていただけだが。。。
上司がよかった。よく人の話を聞く、そのうえなんでもやらせ
てくれた。金魚の糞だったが、1年もすれば一端のことを言う
ようになる。性格もあるだろう。黙っておれない。
他社なら、そこで終わりだろうが、ソニー子会社は違った。
なにか言ってくる奴にどんどん仕事を任せる。

まさにレヴィンが言ったように『「今のままでは駄目だ」「何か
が欠けている」「まだ足りない」』を片っ端から提案し、行動し
ていった。営業時代もやれる範囲でやってきたが、ソニーのよ
うな考え方がない組織運営のなかで、やれることは限られてい
た。私は、レヴィンが指摘する内容の不満を溜めていった。
そのうえ、アホな上司のところに異動になった。俺は、会社に
舐められている、と感じた。その上司にいたちの最ごっぺをか
まして転職した。大正解だった。

だが、ソニー子会社を退職した後は、最悪の時代を迎えた。中
小企業の組織運営に辟易したが、食べていかなくてはならない。
レヴィンの言葉とソニー子会社時代の会社人生が走馬灯のよう
に蘇る。中小企業の時代は、まさに暗黒の時代だった。組織と
は、かくも違うものだ、と知った。
日本社会は、どうもレヴィンの言葉を活かせていないようだ。
社会の成り立ちからして、レヴィンの言葉を活かせない社会か
もわからない。

ソニーのような会社が生まれたことが奇跡だろうか。

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