日本社会の特徴だが、お題目型のルールーを制定することが多
い、と私は考えている。どこの企業も同じような構造になる。
理由は、サポートする企業や人たちが、同じような内容を各企
業に指導して導入(営業)活動するからだ。だいたい日本人の
特徴かもわからないが自分で考えて、なにかやるのが苦手だ。
私も同じ欠陥をもっているが、一人で自分と格闘してきた。
自分でやるには、かなりむずかしいことだった。企業というと
ころは権力をもつ人間の主張(意思)で行動が決まっていくか
らだ。
私の考え方と行動が成功したのは、唯一、ソニー子会社だけだ
った。自分で考えて行動する土壌が経営者、管理職のなかにし
っかりとあり、むしろ私のほうが煽られてきた。
ガバナンスは、自社で考えて確立させて、自社のガバナンスに
基づき行動していくものだった。他社との違いは、まさにここ
だった。やたらと、その手の企業に教えをいただくことはない。
自ら考えて、行動をすることが重要だった。私がソニー子会社
に在籍していた時代、ガバナンスは、経営者や管理職一人一人
のなかにあった。
問題があるような場合、ソニー本体のしかるべき部門の担当者
へ確認していた。ガバナンスは重層的だった。長い時間軸のな
かで構築されてきたことを知った。会社には歴史がある。その
歴史を正しくつくっていくの、そのなかにいる人間だけだ。