創業期の総務や経理部門はないものだらけでした。現場は、休
むことなく稼働しています。総務や経理は、まさに戦場のよう
な忙しさでトラブルに対応していました。
トラブル対応はシンプルです。問題から逃げない、正直に話を
してウソをつかない、自分が対応を間違ったときは素直に謝る、
解決のためにまじめに行動する、といったことしかありません。
原理原則とは、きわめてシンプルです。
トラブル対応の矢面に立つ経営者は、火だるまになる覚悟があ
りました。原理原則を踏み外すことなく、愚直に地道に誠意を
もって対応していく姿が印象的でした。
この創業経営者は、トラブルのときほど楽観的でした。対応す
る私にも優しく、しかも経営者は、自分が責任を取るので、私
に存分にやってよい、と話をします。そして実際、その通りの
ことをしてくれました。むしろ平時のときのほうが厳しいの
です。
トラブル発生時に、社員を追い込むようなことをみたことがあ
りませんでした。このような姿勢をもつ経営者は、どんなトラ
ブルが起きても誠実に対応することができ、なんとかなるだろ
う、と私は楽観的になれました。
平常心を失うことがない創業者でした。しかも若い。常に、役
員や従業員たちと密接に連携を取りながら、問題解決に向けて、
自分が責任をとる覚悟で、着実に対処していました。
大企業になるわけです。
原理原則があるからです。