ソニー子会社で仕事をさせてもらった私は、ソニーという会社
はグレーゾーンで仕事をしない会社だと知りました。
真っ当な仕事をするということでした。このことは、実に丁寧
な仕事をすることになります。丁寧というよりは、恐ろしく愚
直に仕事をすることでした。
時間がかかりますが、それをいかにはやくやるか、ということ
も同時に考えて仕事を進めていかなければなりません。バカ丁
寧な仕事をする上に、スピードが求められました。他社で仕事
をしてきたレベルではありません。
私には、人生が変わるくらいの衝撃がありました。
グレーゾーンで仕事しないだけでも大変ですが、さらにスピー
ドが必要です。だからこそ、他人が真似できないのです。
これを徹底することができないのが日本企業です。私が知る限
りですが、企業はグレーゾーンで仕事をしていました。グレー
ゾーンで仕事をするとは、たとえが適切かはわかりませんが、
野球で言えば、主力打者に故意に死球を与えて勝利しようとす
るようなものです。
うまくやっているうちはよいのですが、その所業が判明すれば
勝利の意味を喪失させ、チームに大きな打撃をもたらします。
投げミスは、ゆるされるでしょうが、故意の死球はゆるされる
わけがありません。一度でもブラックゾーンで勝負するように
なると、なかなかそこから抜け出せなくなるものです。
ブラックゾーンでは、低いコストで経営することが可能となる
からです。
経営管理とは、そもそも正しく仕事をするためにあるものです。
適正なルールのなかで仕事をするために、監査が必要となり、
問題があれば、迅速にグレーゾーンの仕事のやり方から離脱さ
せるための機能が内部監査であり、内部統制であり、社外取締
役制度です。
私が知る企業の多くが、グレーゾーンで仕事をしていました。
その結果は見事にでました。
ソニー子会社ともう一社だけは成長していきましが、その他の
企業はなかな成長できていなという事実だけが残りました。