企業活動に多くのトラブルはつきものだ。トラブルを隠蔽す
れば、やがて大きな不祥事へ発展する。
トラブルへの対応はシンプルだ。逃げない、嘘をつかない、
小学生でも理解できる当たり前のことを徹底するだけだ。
不祥事が発生すれば、この対応に尽きる。
もちろん、外部の人たちはあれこれ言うだろうが、逃げない
でウソをつくことなく説明する以外にない。
わからないことは、現時点ではわかりません、というしかな
い。責められるだろうが、自分が知る範囲のこと以外は話す
ことはできない。内容も大事だが、話す人の姿勢で人間は理
解するものだ。
ウソが含まれている話には、言葉に迫力がない。言葉が少な
くとも真実を語っていれば強く相手に響く。
リスク・マネジメント関する研修などを受けても、不祥事に
遭遇すれば、そのようなマニュアルは使えない。
理由は、不祥事には多くの人を介したプロセスがあるからだ。
不祥事を不祥事たらしめる本質的な原因が、ここにある。
このプロセスのなかにいた人間は、話す言葉でその人がどの
ように対応してきたかがわかる。当事者だからだ。
迫力ない言葉に真実はなく、隠蔽しようとする匂いを外部の
人間はかぎ取る。そんな企業は、そうそうに経営者交代の荒
療治がされる。
不祥事のときこそ、小学生でもわかるように話すことだ。そ
こにしか真実はない。真実は人に宿る。