だいたいどのような企業の工場でも、安全第一が最優先事項と
して認識されています。日々、安全推進活動が進められていま
す。、ところが、安全を実現するのはきわめて困難です。実際、
工場の爆発事故などを目にすることが多くなりました。
安全性の重要性を何度伝えても、従業員によって安全意識には
差異があります。人間は、そもそも自分の視点で物事をみる生
き物です。人間が作る組織機能は、人間がもつ感覚の違いから、
なかなか思うようにいきません。
本来であれば、工場の設備を更新しなければならないケースで
は、多額の資金がかかります。危険な設備を改修するだけでも
相当なプロセスがあり、大きな資金を計画的に投入する必要が
でてきます。
他方、多額の改修資金は、利益と相反することになります。
安全第一とは、利益と真っ向からぶつかる経営判断になります。
結論から言えば、利益が圧迫されても、本来、企業は安全第一
が前提なのですが、多くの経営者は利益を選択していくように
思えます。
利益や納期などより、安全を最優先する、と決意した経営者は、
この理原則からぶれてはならないのです。腹をくくるとは、経
営者がぶれることはなく、安全第一を経営の最優先事項として
やりぬくことを決断することです。このメッセージが全社員に
届けられ、安全に関するネガティブな情報が経営者へあがり、
すぐに改修や設備の更新計画が策定され実行さることでしか、
全安全第一はありません。
現実は、経営者の不作為のために、事故がどれほどあるのだろ
う、と思うほど事故をめにします。覚悟なき経営者が率いる企
業は、必ず甚大な事故を起こします。