企業に在籍していれば、いかにトラブルが多いかということを
知ることができました。結論から言えば、トラブルがあるから
仕事は順調だともいえます。理由は簡単です。企業というとこ
ろは、いろいろなタイプの人たちと取引するところだからです。
人がトラブルを作り、企業は、そのトラブルによって成長して
いくものです。
トラブルとは、人間間の摩擦や軋轢ですが、そこにはビジネス
の本質が隠れています。製品が壊れた、サービスがなっていな
いなど、企業は多くのトラブルに囲まれて活動しています。
そのひとつひとつの問題に対して丁寧に対応することは、わが
身(企業活動)の問題点を発見させてくれる入り口になります。
私は、トラブルウェルカムな人間です。自分の出番がやってき
たと動きだします。トラブルは、その本質をはやくつかみ取る
ことが求められます。自社の問題か、あるいはお客様の問題か、
はたまた誤解かなど、トラブルは、いろいろな顔しています。
それを突き詰めて、自社に問題があれば、ネガティブ情報ほど、
すぐに経営者へ伝わる機能を構築してきました。それができて
いる企業だけが成長していきました。
トラブルは、どういうわけか隠そうとすれば、水面下でトラブ
ル自体がどんどん大きくなり、現場などで抑えきれなくなりま
す。そしてその結果、問題は噴火します。企業や組織に大きな
打撃を与えるような不祥事となります。
このような事態を予防するために、現場が安心して経営者へト
ラブルの報告ができるような仕組みを構築することが重要です。
もっとも、どんなにすばらしい仕組みを構築しても、経営職が
トラブルを隠蔽しよとすれば、そのような素晴らしい機能があ
っても機能することはありません。
組織には機能が必要だが、組織の原点は、人にはじまり、人で
終わります。この点だけは、明白な真理です。