日本の企業というところは、社員が長く勤続してくれることで
よいことも多いのですが、その反面、経営の意思決定に必要な
情報が偏ることも多いのではないでしょうか。また、他社を知
らない社員が多く、物の見方が偏る傾向もあるでしょう。
長期雇用の弊害のひとつです。

経営者のなかにはコンサルタントを使う方がいますが、コンサ
ルタントを使う意味は、コンサルが社内の人間関係や社内外の
政治的なしがらみなどがないことです。経営者を含めた社内の
人材は、社内で共有されてきた価値観や慣習などを無意識にも
っているものです。社内の人材には、人間関係や政治的なしが
らみによって、経営課題をみる場合でも歪みが生じたり、改革
そのものに手加減をしたりします。

このようなしがらみから離れて、社内の空気を読むこともなく、
自由に仕事ができる外部のコンサルタントは、本質を指摘して
きます。全体状況を把握している経営者やそのスタッフからす
れば、納得性が高い戦略を構築するヒントを得ることができま
す。
もっとも、コンサルは、お金を出す権力者の顔色をみています
から、この点、経営者は十分な注意と配慮が必要です。
経営者の望む提案をしてくるコンサルも多いものです。

経営とはなかなか一筋縄ではいきません。経営者の経営能力を
問われるは言うまでもありません。