計画策定の出発点は、経営者や現場の責任者が、組織のあるべ
き姿を描き出すことからです。経営者には、経営者のあるべき
姿があり、現場の責任者にも組織のあるべき姿があります。
この姿を現場の責任者とディスカツションを重ねて、そのある
べき姿を、より精緻にしていったり、あるいは必要に応じて修
正していきます。
現場の責任者は、日々現場の現実と格闘しており、現在の延長
線から考えるという癖があるものです。他方、経営者は、非現
実、いわば非日常から未来をみており、現場の人たちは自分が
もつ思考を切り替えることが求められます。この点、現場は戸
惑うものです。現実のくびきから離れていくことは、簡単では
ありませんが、現実のくびきから外れることで、多くの人たち
は自由な発想ができきるようになり、あるべき姿を思い描くこ
とができるようになっていきます。
その結果、ディスカッションに参加したメンバーは、経営者の
本気度に触れることで自由に意見を出し合い、全員が合意でき
るわけではありませんが、おぼろげながらあるべき姿 がみえて
きます。
問題は、あるべき姿を中期計画に落とし込んでいけるかどうか
であり、その実行を誰が引き受けていくかです。
理想の姿を目指すプロセスには、数少ない強力なメンバーの存
在がありました。経営者と未来ために汗をかける人材がいるか
らこそ、企業は、あるべき姿を求めて発展し拡大していきます。