世界というところは、いろいろな要素から成り立っているとこ
ろです。日本の企業だけで世界が動いているのではありません
から、どんな計画を策定していても、世界のどこかで問題が発
生すれば、日本の企業は影響を受けることになります。
ウクライナ戦争による経済的な影響、トランプ大統領による関
税といった突発的な事態に遭遇することがあります。そこでな
にもしないわけにいきません。
危機は悪いことばかりでしょうか。日産ではありませんが、こ
の機会を捉えて、工場などの閉鎖や工場の統廃合など、大胆な
リストラを実行させることができます。
事業というのは、常に見直しが必要ですが、タイミングがあり
ます。多くの人たちに理解してもらえるリストラのチャンスは、
危機の時代だからこそできます。
そのためには、事業のあるべき姿を常にみておかなければなり
ません。リストラしたが、その先がなかったでは経営といえま
せん。
どの分野で稼ぐのか、あるいは新規事業に挑戦するのか、また、
現在ある事業をさらに磨きをかけていくのか等々、将来像と計
画が必要になります。大胆な計画と施策案は、日常的におこな
っておくものです。危機がきてからでは遅く、危機は、ただ機
会を与えてくれるだけです。
経営にあるべき姿がない企業は、危機は、まさに危険に陥りま
す。日産が、まさにその状態にあるでしょう。
ホンダは、3兆円の投資抑制を発表しました。危機の時代とは
経営がめまぐるしく変わるときです。次に何をやるかを明確に
していくときでもあります。
中小企業の経営者は、日産やホンダの対応から危機の時代の事
業のあるべき姿を、よく学んでおく必要があるのではないでし
ょうか。