不祥事を起こした企業は、みなそれなりの名がある立派な会社
だ。そんなバカなことを、なぜするのか、と思えてしまいます。
なにをやっているんだ、と言うことは簡単です。
他方、会社というところは、経済合理性を追い求める存在です。
よほど厳密に法令遵守するとい意識がなければ、法律のグレー
ゾーン内で対応しようとする傾向があります。
経営者であれば、この法令順守とい認識をしっかりもったうえ
で、経営することが重要ではないでしょうか。
ところが、企業において長く経済合理性だけで活動していると
、経済合理性以外の価値観が薄れていき、この対応はおかしい
のではないか、問題だ、と感じつつも、社内の空気を読んで、
誰も何も言わないことによって企業の体質が変わっていきます。
このような企業体質で仕事が続けられていくと、なにかおかし
い、と感じることさへできなくなり、社内に独自の集団規範が
醸成され、いつしか社会と相容れない企業文化が形成されてい
きます。
不祥事が発生する前提は、日本企業の場合、長期雇用と相まっ
て会社のなかに暗黙の秩序が構築され、蔓延することにより組
織のなかに不祥事の温床となる文化や体質ができあがります。
そもそも会社には、金を稼ぐという動機があり、問題を起こす
リスクを抱えています。会社の本質は、多くの社員による経済
合理性を追求することによって成り立つため、世の中にあるル
ールが邪魔な存在となりやすいものです。
経済的な合理性を求めるあまり、則を超える経営をおこなうよ
うになるものです。経営者は、この点をしっかりと学び、社会
のルールを順守する経営を自ら体得しておくことが求められま
す。
貧すれば鈍する、という言葉がありますが、利益が出なくなる
と、知恵や精神の働きまで鈍り、人間は愚かになっていくもの
です。