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仕事

場数を踏むことは重要だ

仕事において場数を踏むとは、実践を繰り返しおこなうという
ことだ。仕事は、実践以外のなにものでもない。
いくら本を読んで学んでも人間がおこなう仕事には、人間を含
む多くの要素から成り立っており、いくらの能力があっても現
場の経験がなければ、どのような仕事もできないだろう。

日本企業の場合、メンバーシップ制といわれる雇用のため、新
卒一括採用で企業に入社すれば、希望する職種で入社したとし
ても、どのように仕事をするかは入社してはじめて知ることに
なる。これは新卒者に限れば、日本型ジョブ雇用でも同様だろ
う。メンバーシップタイプと比較すれば、職種間の異動がない
だけであり、新卒者に関しては職務内容におけるキャリアパス
は、メンバーシップ雇用同様に残るだろうと思われる。
新卒の場合、当たり前なのだが、企業へ入社して実践的に仕事
を体得する機会が必要になる。いろいろな事情はあるのだろう
が、会社で仕事をするという経験をはやめに放棄する人たちが
結構いるようだが、そもそも新卒者であれば、どのような人間
であっても、仕事を知るために自分で仕事に取組み体得する期
間が必要になる。

この経験が少ないと、他社へ転職しても仕事が体の一部になっ
ていないため、仕事に対してかなり不安をかかえるものだ。
私自身の経験でも営業職から外資系の総務へ転職したが、総務
の経験がなかったため、仕事をどのようにマネジメントしてよ
いのかわからず、上司の役員の指示に従うしかなかった。
場数どころではない、総務という仕事の経験がまったくなかっ
たからだ。当然、仕事に対する不安が常に自分のなかにあり、
動揺する心を抑えるのに、多くの時間を費やした。

ソニー子会社へ入社してからも同様な状態は続いた。場数がな
いとは、自分の体に仕事がはいっていないということだ。
仕事というものは、普通の人間の場合、段階を踏んで体得して
いくものだ。その意味では、新卒一括採用におけるメンバーシ
ップ型雇用には意味があった。
とくに大手企業の場合、仕事においてしっかりとしたルーチン
があり、時間をかけながら学び、そして体得することができる。
新卒入社者には、これ以上の環境はない。

私は36歳でソニー子会社へ転職したが、管理部門の仕事をし
たことがなかったから、新卒者同様、仕事の各ステージを自分
で踏みながら体得するしかなかった。
体得するまでに、7年近い歳月が流れた。
この経験があったからこそ、中小企業の管理部門の仕事をして
いくことができた。ソニー子会社における管理部門の仕事は、
事業の新規立上げだったこともあり、相当な場数を踏むことが
できた。このため中小企業へ転職しても、仕事において動揺す
ることはなかった。

現在、仕事と家事が忙しいのでMLBの試合をゆっくりとみれ
ないのだが、菅野投手の投球をみていると、場数を踏んでいる
なぁ、と思う。
日本での実績もそうだが、WBCへの参加をはじめ、多くの国際
試合を経験している。
MLBのボールへの対応、中四日での投球、ストライクゾーン
へアジャストなど、どれをとっても超一流だ。
それは菅野投手が投球する姿にも表れている。
風格があり、堂々としている。
相手を見下ろせる余裕がある。
場数を踏んでいるのだ。

他方、佐々木投手は、投手としての投球能力が高いということは
感じるのだが、投球自体にまだ余裕がない。
あまり場数を踏んでいないからだろう、と私は推測している。
中五日の登板は、はじめての経験らしい。
落合さんが「中6日でも必ず登板する前に、1回か2回はブルペ
ンに入る。これから中5日で回すんだったら、調整方法は自分で
考えてこなしていかなければダメなんだろうと思います」と、ネ
ット記事で読んだ。

結局、MLBの試合を経験しながら自分のスタイルをつくってい
くしかない。そして自分で試行錯誤しながら自分のピッチングを
確立することになる。
やはり場数が必要だろう。
ロバーツ監督は「マイナーでのプレーは今は考えていない。ここ
で学ぶことが非常に価値があると思う。特別な経験をすることほ
ど胸に響くものはない。彼は今、苦戦しているところ。打者の反
応を見ながら調整をすればいい。どのような調整が必要かをメジ
ャーの打者が教えてくれる」とメディアが報じていた。
結局、仕事は自分で体得しながら確立していく以外にない、とい
うことだ。
場数が必要なのだ。
MLBの試合という最高の場を与えてもらっている。
自分のピッチングスタイルを試行錯誤しながら、超一流の投手に
なるチャンスをつかめるかどうかは自分次第だ。

菅野投手と佐々木投手の差は、まさに場数の差ではないだろうか。
できると思うことと、できるには、大きな差がある。
できる投手は、自分で場数を踏みながら習得してきた投球マネジ
メントという頭脳と、試合や練習で積み重ねてきた投球術を体得
した体がある。
多くの現場(試合や練習の場)で戦って培ってきたものだ。

仕事も同様だ。
体を張ってどのように体得できたかで、その人の仕事に対する能
力は確立されてくる。
私は上を目指さなかったので、たいした能力はない。
残念だが、真実だ。

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