日本企業では、社内調整をしながら企画立案することが多いと
思われます。この問題点は、社内的な軋礫を生まないように配
慮することで、企画案のそのものが課題の本質からずれていく
ことです。結局、この企画はなんだったのか、といった事態に
発展することになります。
企画案というのは、どのような案であっても、だいたい賛成が
五割、反対が5割はあるものです。もっとも、私は賛成が3割
もあれば勝負にでました。すべての責任は、私自身が引き受け
る覚悟でやっています。物事は、課題が解決しはじめると、3
割だった賛成が8割くらいになります。残る2割は賛成してく
れませんが、渋々したがっていきます。
案などというものは、あまり社内調整をしすぎないことです。
その業務の本質を理解できている数名がいれば、実行可能です。
部門の責任者のなかには、経営的な素養がある人が必ずいます。
そのような人間を巻き込むことで案を動かしていきます。
坂を上るときは大変ですが、業務改革のターニングポイントに
くば、後は、坂を下っていくように機能していきます。
経営者は、常に大所高所からみておくだけでした。もちろん、
危ない局面では、うまくサポートしながら、企画案を軌道に乗
せていく努力をしてくれました。
この経営者の姿勢が、社内全体にいきわたり、改革案の重要度
を示すこととなり、社員を巻き込む原動力になります。
企画案の原則は、戦闘力のある案ほど反対が多いことです。
だからこそ、経営者は、このような戦闘力がある案を生みだし
実行できる人間を発見しながら、そしてサポートすることで、
経営改革を推し進めていくことができます。社内に軋轢ができ
るからこそ、その改革は意味があるものになってきます。
中小企業は、そもそも社員が企画案を出すことがありませんし、
経営者の頭のなかだけで企業は動いていました。
中小企業から脱皮する経営者は、他人に仕事(改革)を任せる
ことで、事業を着実に成長させていきます。