企業というところは、いろいろな人間が集まって構成されます
が、人の数だけ性格があり、その性格を尊重し、その人たちに
それぞれの能力を発揮してもらわなければなりません。
性格は、人それぞれです。几帳面な人、おおざっぱな人、陽気
な人もいれば内向的な人もいます。
結論から言えば、いろいろな人に活躍してもらった企業は成長
していきました。なかには極端な性格のために周囲と摩擦を起
こすこともありますが、ソニー子会社時代は、摩擦こそウェル
カムでした。理由は、物事の本質へ近づくことができるからで
す。摩擦があるということは、それだけ人が真剣に仕事をして
いる証拠でもあります。
事実、管理職ほど真剣に議論を戦わせていました。
摩擦(議論)は、仕事を前向きに進めるためのツールですが、
そこには私利私欲がないことが前提になります。それは自らの
職務に忠実であるということです。どこまでも組織目標を達成
するための議論でなければなりません。
企業の組織では、経営者や管理職を中心に政治的な行動や意見
を述べる人間がいますが、このような人たちで構成された組織
には摩擦は少ないものです。要は、議論も少ないということで
すが、結果として事業は成長しませんでした。
企業の組織というところは、談論風発することが重要ですが、
決定したことをきちんとやる人間がいて、はじめて事業は成長
しいきました。談論風発後の行動ができる人の存在が必ず必要に
なります。
企業における人材には、組織の問題点や課題を的確に把握でき
る人間と、その改善実行ができる両方の人間が求められていま
す。