中小企業では、そもそも競争原理やインセンティブ制度は不要
ではないでしょうか。そのような制度を取り入れても稼ぐこと
に汲々としていれば、その運用どころではありません。
中小企業こそ、仕事の本質で勝負するところです。
おもしろい会社を目指す、あるいは、ここの仕事は面白い、さ
らにこの仕事はやるだけの価値があり成功させたいという人間
としての思いが芽生えることが重要です。困難な仕事であった
としても、それをなんとしても成し遂げようと、人間がおもし
ろさから夢中になれる仕事があれば、多くの社員は取り組むよ
うになります。
中小企業こそ、競争に勝つために頑張るとか、インセンティブ
のために頑張る、などは無用ではないでしょうか。
中小企業の経営者がもつべき意思は、この仕事は価値がある 、
と本気で思っていることです。もうひとつ、従業員一人ひとり
の自主性と自発性を尊重することです。この二つを押さえてお
けば、人間は、そもそもおもしろさをみつけていきます。
中小企業こそ、経営者の主観が大切です。社員が活躍するまで
には長い時間が必要です。社員の未来を信じていけるから、社
員は、客観的な実績を出していくことができるようになります。
経営者が責任をもつ仕事は「資金繰り」だけです。会社という
ところは社員が働き、社員が成長することで会社が成長してい
きます。