会社経営は、経営計画で語られることが多いのですが、計画は
ツールでしかありません。ツールはなにかの目的のために使わ
れるだけです。実は、計画だけでは人は動きません。
やはり事業には「夢」が求められます。
ソニー子会社の創業期、私たちは夢をもって仕事をおこなって
きました。夢は、私たちの仕事のエネルギーになっていました。
私は、経営計画の意味もわからずつくっていましたが、夢を現
実にする過程のなかで計画の重要性を覚えていきました。自分
たちは何を成し遂げようとしているのか、どのようになりたい
のかを必死に考え、行動した時代でした。
経営計画をつくるとこがむずかしいようであれば、私たちの夢、
あるいは、私たちのあるべき姿から始めてみることも大切です。
夢のなかには、例えば、 T D Kという企業は、東京工業大学の
教授が開発したフェライトの工業化を目的に創業されています
が、その根底には、秋田の貧困を解決するという壮大な夢があ
りました。
ソニーには、ソニーの夢がありますが、大きく成長していく企
業の源流には、このような夢の存在があります。中小企業では、
日々の仕事に追われていることが多く、夢をみる余裕がありま
せんでした。そんななか、ある企業の創業経営者は、夢を忘れ
ることがなかたようです。私に話してくれた現実が、見事に出
現しているからです。