私が知る創業経営者は、子供の心をもち、みんなに親切を実践
できる人でした。私自身は、ちょっとした親切をしたのはいつ
だっただろうと、今でも考えてしまいます。ほんとうは、配偶
者や子供たち、あるいは親類など、自分の身近にいる人からは
じめてみたいと思ってしまうくらいです。
経営者が人の上に立つことになったときにできるリーダーシッ
プは、私がみてきた限り、創業経営者の子供時代から作られて
きたように思えました。なにごとも自然体でできる責任ある行
動が企業経営を支えていました。
私が知る経営者は、長い間個人で奉仕活動をやっていました。
自ら体を使って奉仕活動をすることで心の筋力をつけていたよ
うに思えたものです。地域の団体やボランティアグループに参
加して個人として体を使って行動されていました。社員を誘う
こともありませんでした。公私の区別が明確でした。
私は、今でも奉仕をすることなどできませんが、経営者は普段
にやっているから、企業は成長し、高い報酬を得るのだと確信
できました。
それがわかっていても、私は今でもこのようなことができませ
ん。それくらいむずかしいことですが、経営者は普段の生活の
一部としてやっておられました。
私が知る創業経営者には信念があり、具体的な行動ができ、企
業経営においても社員をとても大切していました。
このような経営者の厳しい姿勢があるからでしょう、企業はぐ
んぐん成長しています。