個人事業主でも売上を上げることはむずかしくない。とくに手
に職をもっている人たちは、稼ぐ力がある。だが、同時に派手
に飲みまくっていたりする。
まだ、銀行借入がなく自分で稼いだお金を自分で浪費するぶん
には文句は言えないが、問題は、会社組織にして銀行借入があ
る場合などだ。
このような経営者は、だいたい会社からの貸付金が多くなる。
貸付金となっていれば、試算表などで確認できるが、現金の場
合は問題がでる。
会社の預金から現金を引き出すが、試算表と現金の残高が合わ
ないことがしばしば発生する。
もちろん税理士によって確定申告はおこなっているのだが、税
理士はいちいち現金の確認をしているわけではない。
現金残高はありますよね、程度だろう。
普通、会社を経営していれば毎月現金を確認くらいしているだ
ろうと思われるが、小さな会社ではそれほどきちんと処理され
ていないことが多いものだ。
経営がうまくいき預金残高が増えていくと、社交的で酒好きな
経営者は豪遊しだすので注意が必要だ。
はじめはきちんと処理できていたものが、だんだんルーズにな
ってくる。本来、あるべき現金がなければ、社長が流用したと
いうことだろう。
税務調査が入れば、当然、現金残高を確認されて残高があって
いなければ、報酬として課税されたりする。
銀行借入がなければ、会社のお金を流用(これはこれで問題な
のだが)しただけだが、銀行借入があれば社長に対する貸付金
とされて、銀行などから厳しい評価が下される。
このような会社から社長個人に対する貸付金は、おそらくだが、
自分のことに使うわけであるからして銀行は警戒する。
融資したお金が、社長個人の支払いに充てられたりすれば、貸
付条件の契約違反となり融資は引き上げあられたりする。
社長の個人的な支出によって返済ができなくなれば横領となる。
このようなことをおこなう経営者は、粉飾決算をおこなってい
ることが多いものだ。
本来、小さな企業の場合、会社が社長個人からお金を借りてい
るケースが多くなるが、その理由は、経費の支払いなどで銀行
預金が不足して、現金が必要になることがあるからだ。
社長が会社からお金を借りる場合、銀行借入がなければ自分や
社員が稼いだお金を使うだけだ。
それでも問題はあるが、毎月、取引先への支払いや社員へ給与
の支払いができていればまだよい。
稼ぐ力がある企業には、そのうち銀行がやってくる。
融資の話があれば、経営者としては悪いことではない。
審査が通り、会社の口座に融資で得た資金が振り込まれる。
だんだん自分が稼いだお金と融資されたお金の区別がつかなく
なっていく。
人間の多くは自分に甘い。
私もそうだ。
そんな人間に大きなお金が入ると問題を起こすことが多々ある。
見栄っ張りは、会社の交際費で夜の世界に溺れる。
適正な経費、いわば交際費ならよいが、多くは自己目的の浪費
になる。
こんなことで倒産した会社が何社あることだろう。
どんなに経営能力があってもお金に使われてしまう人生はあっ
けなく終わってしまう。
粉飾をおこない銀行をだまして融資を引き出せば、詐欺罪にあ
たり金額にもよるのだろうが懲役4年の実刑判決だった、
とある記事に書いてあった。
経済とは、本来、経世済民(けいせいさいみん)であり、「世
の中を治めて、民を救うこと」だと言われている。
経営者は経済活動をおこなっているわけだから、この言葉をよ
く頭に入れておきたい。
大企業から小さな企業まで人間がやることにたいした違いはな
い。こんなことならAI社長にでも経営してもらったほうがよさ
そうだ。
初期投資や利用料、あるいは電気代やメンテナンス代は必要だ
ろうが、AI社長は無駄な豪遊などしない。
また、適切な学習がなされていれば、コンプライアンスの判断
も間違いなくやってくれるだろう。
AIブームだ。
AI社長を登用してみてはいかがだろうか。
どこの企業とは言わないが。。。
なんだか今の世相をみていると、こんなことを考えてみたくな
るくらい人間の無能さが露呈しているように思える。
なんともさみしい人間社会になったものだ。