私がみてきた範囲だけだが、経営者が精神的に不安定なタイプ
の人は、部下の功績を心から祝福することができなかった。部
下が功績をあげないように画策したり、部下やチームの功績を
自分の手柄にしていることもあった。
当然、功績をあげた人間は、経営者に不信感をもつようになる。
精神的に安定した経営者は、社員たちに力を与えることができ
る。まさにエンパワーメントだ。精神的に不安定な経営者は、
そういう部下がいれば独立するのではないか、あるいは自分の
地位がおびやかされると感じるらしく、部下の能力に嫉妬して
いるようでもあった。
部下が経営者から功績を認められなければ、自分の能力を存分
に発揮できなくなり、結果としてその企業の組織全体に悪い影
響を及ぼした。
反対に、精神的に安定した経営者は自分に自信があるから、部
下を信頼することができ、傲慢になることがありませんでした。
決断力は優れているのだが、常に謙虚に部下に接していた。
経営者自身の長所と短所を知り、自尊心をしっかり持っている。
部下がいい仕事をすれば、きちんとした評価をおこない相応な
報酬を出していた。常に優秀な人材を獲得するための努力をし、
採用した人材の能力が存分に発揮できるように配慮ができてい
た。
私は、そのような配慮をしてもらったおかげで仕事をうまくや
っていくことができた。創業経営者、サラリーマン経営者とも
に同じようにサポートしてもらった。
そのようなタイプの経営者は、チームが成功を収めれば、素直
に喜び、みなを称賛し、自分がサポートしていることさへ隠し
て、全員に貢献に応じた報酬を出していた。
このような経営者がいる企業が成長しないわけがない。
経営の原理原則の現実をみた。