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経営管理

現場にも基本が必要ですが、先ずは安全からです

中小企業の現場では、生産性が上がらない、あるいは不良品
が多い、計画通り生産や業務が実行されてないなどの課題は
多いものです。
現場をみて共通する事項は「基本的なことができていない」
ということでしょうか。

現場における「基本」とはどういったものかを理解するのは
案外むずかしさがありますが、指標となるものを導入するこ
とで基本を学び、実行していくことがスタートになるでしょ
う。

よく言わることですが、基本だからこそむずかしいのです。
基本は、日々単調でつまらいことの繰り返しですから、つい
おろそかになっていくものです。

指標は、重要な項目から「安全度」「5S推進度」「標準作業
度」「多能工度」「管理職役割度」「自主的活動度」などが
あります。
これらの項目が必要な理由は、人が安心して仕事ができ、か
つモチベーションを高く持ち、よいモノづくりを行うためで
す。常に工場などの現場全体で取り組むべき基本事項です。

「安全」は、組織のトップが主導し「命」「健康」は何より
大切です。現場には、一般生活にない設備や機械なども多く
危険な場所でもあります。
現場責任者は、働く人の無知や不注意から事故が起きないよ
う、数多い関連法律を遵守し、その現場の実態を掌握し、安
全に関して、現場レベルで最高の意識をもち最善の義務を果
たさなければなりません。

全員参加のボトムアップ型で、安全活動に取り組んでいる企
業も多くありますが、当事者は危険に気づかず、当たり前に
なっていることや、目の前の仕事を最優先にしがちになるた
め、安全に関する取り組みは、俯瞰して危険を察知できる立
場にあるトップが中心となって行う必要があります。

労働安全衛生法では、一定の基準に該当する事業場では、「安
全衛生委員会」の設置が義務化されています。組織のトップ
が法律を理解し、安全管理に真摯に取り組んでいるか否かで、
罹災率は3倍ほど違ってくるといわれています。

ハインリッヒの法則は、あまりにも有名ですから多くの人た
ちが知っていると思いますが、ハーバート・ウィリアム・ハ
インリッヒは、1930年に労働災害の統計から、1件の重大事
故が起こる背景には29件の軽微な事故と 300件のケガに至ら
ない事故があるという法則を発表しています。

また、300件の背後には数千の不安全行動や不安全状態があ
ると指摘しています。軽微な事故や 「ヒヤリハット」で顕
在化した危険に対策を講じることで、重大事故の発生が抑止
できると考えられており、多くの企業で研修と対策を講じて
います。

厚生労働省では、「不安全行動」として12項目を、「不
安全状態」として8項目を挙げています。
組織のトップはこれらの項目に該当する事象が発生していな
いか、常にチェックできる仕組みを構築し、点検し、現場意
見を吸い上げて、具体的な対策を講じる責務があります。

私が在籍し株式公開を目指していた企業では、売上高が約3
00億円ほどになっていましたが、現場管理に問題がありま
したから、大手企業の技術職2名を採用しました。
入社を前後するタイミングで労働災害事故が発生しました。
やはりもう少し前段階で安全管理を徹底しておくべきでした
が、中小企業の場合、そのタイミングが遅く、事故につなが
っているケースは多いと思われます。

経営者は、自社の安全管理に自信がもてなければ、大手企業
出身者など、安全管理を担当できる人材を採用し、安全管理
の基本から再構築しなければなりません。
これができなければ労働災害事故は、必ず続くことになるで
しょう。
安全管理は、事業を拡大させようとする経営者の覚悟が問わ
れる場面です。

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