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リスク管理

社員が酒気帯び運転して拘束されました

私の営業時代ですが、先輩社員が酒気帯び運転で逮捕
拘束されるという事件がありました。このケースは、飲酒後、
営業車を運転して帰宅する途中でした。
別の企業では、自分の車で酒気帯び運転で逮捕、拘束される
ということが起こりました。さらに他の企業では、帰宅途中
にバイクで死亡事故を起こすという社員がいましたが、すべ
てのケースで会社へは出社できませんから、企業側では対応
に追われることになります。

営業時代は、今とは違いまだ相当ゆるい時代だったでしょう
か。それでも私もお酒は飲みましたが、運転をすることはあ
りませんでした。お酒を飲んで運転すること自体が、理解で
きませんが、人間にはいろいろなタイプの人がいるからやっ
かいです。自営業であれば、事故を起こしても個人の話です
から、それまでの話なのですが、会社の従業員の場合は、勤
務で欠勤が続きますし、担当業務が滞ってきますから、問題
が大きくなっていきます。
会社は、事態が収拾するまで処分等はできませんし、当時で
も1週間近く本人と面会ができなくなっていました。親族に
よって状況が判明したのは1週間を過ぎたころでした。

営業時代のケースは、今の時代であれば、とくに2007年(平
成19年)9月19日の道路交通法改正施行により、酒酔い運転の
罰則が「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、酒気帯び
運転の罰則が、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」へ
とさらに厳罰化されましたから、飲酒して営業車を運転して
事故を起こせば、事故の内容によっては懲戒解雇もあるでし
ょう。

もうひとつのケースは、飲酒の上、自家用車で事故を起こし
たものでしたが、こちらも1週間程度、会社は、状況の把握
ができませんでしたが、事故は物損事故であり、被害者とも
示談ができたことで会社の処分は出勤停止処分という軽いも
のでした。
もちろん、本人は罰金刑と免停処分をされたように記憶しま
が、その後、本人が管理職であったこと、お酒が好きなこと
から、自主的に車の運転をしないようになりました。

この手の事故は、企業では案外あるのではないでしょうか。
飲酒のうえ、営業車を運転して死亡事故をおこせば、懲戒解
雇処分は妥当だ、と思われますが、飲酒のうえ、自分の車で
事故を起こした場合などは判断はむずかしくなります。

裁判所は、飲酒のうえ、個人で事故を起こした場合、酒気帯
びの程度が軽かったことや事件について新聞報道がなかった
ことなどの内容を検討したうえで、解雇は重すぎる、と判断
したケースがあります。
厳罰化後の現在でも、プライベートな事故事案において、運
転手を解雇したような場合、裁判所の判断は、解雇無効と判
断される可能性は否定できないのではないか、と言われてい
ます。

それでは、会社はどう対応すればよいのでしょうか。
たとえば、職業運転手(トラック、バス、タクシーなど)が
乗務中に飲酒し、検挙されたときは、会社としての信用が吹
き飛び、会社は経営危機に陥り、会社の全従業員を解雇せざ
るを得ないことも考えられます。当然、懲戒解雇処分をおこ
なうことになるケースが多くなるのではないでしょうか。

勤務中(乗務中)の飲酒運転でなくとも、社員が私生活で大
きな事故を起こせば新聞報道がなされたりします。企業にお
いて過去に酒気帯び運転で検挙された職業運転手がいた場合
などは、会社が、その運転手を解雇せずに乗務に復帰させて
いれば、新聞やテレビなどで報道されることが考えられます。
その場合、会社は酒気帯び運転歴のある運転手を乗務させて
いたことについて、世間から強い非難を浴びることもあるの
ではないでしょうか。
たとえば、勤務外であっても酒気帯びで検挙され、会社に連
絡もせず、免許停止の当日になって欠勤の連絡をしてくるよ
うな運転手を運転乗務に就かせることは、他の運転手との関
係でも示しがつかなくなることがあります。

このように私用における酒気帯び運転でも、いろいろなケー
スがあります。職業運転手のような場合は、本人との十分な
話し合いによって、円満な退職をしてもらい問題を解決
することが必要になるかもわかりません。

私用の車の運転における事故の処分は、対象者がどのような
職務についているかがポイントになります。
私が経験した三番目のケースでは、バイクで人を死亡させる
ことになりましたが、示談がまとまり復職しました。企業で
は、復職の条件は、営業車の運転はしない勤務へ配置転換を
おこなうことでした。
会社は、自社のおかれた立場を検討し、事故を起こした社員
の処遇を実施していくことになります。

いずれの場合も個別的な要素が多くありますから、弁護士を
いれて、事故事例を踏まえて慎重な検討を重ねておくことが
必要になるでしょう。
大手企業では、このような事案に関して、対応を誤れば、企
業のイメージを大幅にダウンさせることになりますから、リ
スク管理に対応としては、とくに慎重さが求められています。

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