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労働問題

常軌を逸した元社員のクレーム

元社員の退職に関するクレーム
ある企業に在籍していたとき、私が入社するかなり以前に退
職していたのですが、電話で人事担当の私に退職に関するク
レームいってきた元社員がいました。過去のことでもあり、
問題があるようなら労働基準監督署や労働局を尋ねてくださ
い、と回答しておきました。その後、電話もないので安心し
ていましたが、ある日、突然会社へ来社したうえ、会社のロ
ビーで大声をあげるなどの行為をするものですから、警察へ
連絡をして対応してもらいました。これで一安心かと思えば、
また電話してきますし、挙句には、またロビーに押し掛ける
という具合でした。

私は、ロビーで大声を挙げれば、威力業務妨害になると、
警告したうえで、話を聞きましたが、いわば言いがかり的な
話なので、そのような内容で会社側は対応しないし、問題が
あるというのなら、訴訟でも提起してもらうようにアドバイ
スして帰宅していただきました。
後日、労働基準監督署か、あるいはハローワークのどちらか
の担当者から連絡があり、いろいろな企業で同様な行動をと
っているということでした。
あくまで私の推測ですが、どこかの企業で解決金かなにかを
得たのでしょう。企業へいって大声をだせば、そのような対
応をするところもあるのかもわかりませんが、株式公開を目
指す企業や上場企業では、このようなケースで取るべき対応
策を学んでいますので、簡単に金員を出すことはありません。

労働問題にかこつけたクレームに対する企業側の対応
社員や元社員が自分の待遇に対して不満を述べ、改善や解決
を求めるのは当然のことですが、同時に、物事には「限度」
というものがあります。要求内容あるいは要求方法が社会的
相当性を逸脱している場合には、クレーマーとして対応すべ
きと考えられます。実際に元社員などが執拗に電話や面談を
求めてきて、あるいは前述したように会社へ押しかけ、暴言
をはくといったことは、担当者に過度なストレスをかける悪
質な行為です。
このようなクレーマーに対しては、労働審判や訴訟といった
裁判手続を会社側から申し立てることができます。裁判手続
を利用すれば、すべての手続きが相手方のペースではなく裁
判所のルールのもとで展開していきますから、不適切発言な
どを防止することが可能となります。
本来であれば、問題があるという元社員から訴訟などを提起
してもらえばよいのですが、争えないことを理解しているの
か、訴訟の提起などしてきません。担当者はたまったもので
はありません。

このようなケースにおいては、会社から労働審判あるいは訴
訟を開始して、裁判手続に乗せていくことがベストでしょう。
労働審判については、「労働者のための制度だから」と誤解
している方がいますが、会社から申立てをすることができま
す。
理由や目的もなく交渉を継続することよりは、解決ははやい
でしょう。会社から申立てをするときには、(解雇によって)
労働者たる地位を喪失していることの確認を求める、あるい
は(退職に伴う)損害賠償債務を負担しないことの確認を求
める、といった内容になるのでしょうか。専門的な見解は、
弁護士へよく確認してください。

根拠なき要求に金員を渡すことの問題
社会にはいろいろな機能がありますが、企業側も適切に活用
することで問題のすばやい解決が可能となります。
この場合のよくない対応は、大声におびえて、理由がない金
員を渡してしまうことです。渡した企業では、問題が解決し
たような気になるのでしょうが、そのことが他社へ問題を引
き継ぐことがあります。自ら支払った金員が根拠があるもの
かどうかを、よく検討したうえで決定してもらいたいもので
す。間違っても大声におびえて金員を渡せば、自ら社会的責
任を放棄していることにつながります。
企業を預かる役員や管理職は、心して対応していきたいもの
です。

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