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コーポレートガバナンス

タムロンの不祥事からなにを学ぶか

タムロンの不祥事
先日、カメラ用レンズ大手のタムロンは、鰺坂司郎前社
長と、鰺坂氏の前任の小野守男元社長が、単独や女性を伴っ
た飲食で、計1億6千万円を超える会社の経費を私的流用して
いたことが判明したと発表しました。
内訳は鰺坂氏が3千万円超、小野氏は1億3千万円超に達すると
している。タムロン社長は、女性に会社経費を私的流用した
辞任しています。タムロンは8月、鰺坂氏の私的流用が発覚し
たと発表し、弁護士などでつくる調査委員会が報告書を11
月2日公表しました。報告書によると、小野氏は調査に対し
「社長業のストレスを解消するための必要経費」と正当化し
た。鰺坂氏も「小野氏から承継したルール」の一点張りで、
適切かどうかは「経営者として考えたこともない」と説明し
たと、共同通信が報じています。

企業社会の景色
これが日本の上場会社の社長のやるべきことか、という諦め
に似た感情が湧いてきました。中小企業のなかには、まれに
このよう体質の方もいるようですが、まさか歴史ある企業で
あり、プライム上場企業とあって驚きを禁じえません。もっ
とも企業ではなく、人間に問題があるのですが、まじめに勤
務されている社員の方にとっては、いたたまれない光景でし
ょう。
他方、私がみてきた企業の景色の中では、十分考えられるこ
とでしょうか。理由は、代表取締役は、絶対的な権力者です。
法律がいかに整備されようと、日本では、当たり前のように
内部昇進をしていきますから、社長=おらが大将なのです。
経理部門や総務部門、取締役、監査役など内部昇進している
人たちが経営者の悪事を不作為で糊塗します。いわゆる空気
でしょうか。日本企業には、今でもこのような体質の企業が
相当あるのではないでしょうか。ただし、企業活動と関係な
い私的な女性関係に経費を流用するような社長は少ないと思
われます。まともに取締役の責任を学んでおれば、あきらか
特別背任になるケースではないか、と思われますが、
きちんと刑事事件化するかどうかは、次の経営陣の考え
方次第でしょう。私は、引き続きみていきたいと思います。

不作為に甘い企業体質
この企業のガバナンスも根が深いものがありそうです。こら
れからの経営を担う経営陣には、抜本的な組織改革が求めら
れるところです。
日本社会の悪い部分は、経営職や管理職などがおこなわなけ
ればならない代表取締役への監視業務における不作為に甘い
という体質です。知らぬ存ぜぬでは済まされないことであり、
監視業務における経営職と管理職の不作為が徹底的に糾弾さ
れなければなりません。
ガバナンスの観点から、監視業務おいて経営職、管理職の不
作為がどのような責任をとらなければならないかということ
を明確にしておくべきです。
経営とは、常に信賞必罰なのです。

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