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マネジメント

人が成長できる環境

人間は、どのようなとき、あるいは環境で成長できる
でしょうか。この問いは、今も続いています。また、誰にと
ってもむずかしい課題ではないでしょうか。
私の仕事のスタートは、営業職からですが、最初の会社が私
にあっていた点は、会社が手取り足取り教える環境ではなく、
5日程度の座学の研修を修了したら、すぐに先輩たちと実践
的な同行営業をさせてもらったことです。先輩との同行営業
では、先輩一人ひとりの営業のやり方が違い、自分で考えて
行動することが求められるていることが理解できました。
それでも、私のような口達者な人間は、一人で営業をおこな
うとき怯むのです。そこをなんとか突破できたのは、優秀な
先輩から学び、真似することができたからでしょう。一人で
営業活動をはじめれば、そこは自分のやりたい方法で営業活
動ができるのですから、営業にはまり、毎日が発見の連続で、
営業活動に楽しさを感じることができるようになっていきま
した。

この企業で一番良かったことは、自由に自ら考えて仕事がで
きたことです。その自由さは、私には、とてもあっていたよ
うです。先輩たちが販売しない製品を含めて、すべての製品
を販売したこと、自分で企画したコンビニ向けハーフサイズ
ボックスを導入できたこと、その他、自らが考えた販促活動
ができたこと、あるいは営業活動時間を自分で決定し、取引
先との打ち合わせや交渉ができたことなど沢山あります。ま
さに自分が成長できたのは、良き先輩の存在と自由な発想で
主体的に営業活動ができたことだ、と信じています。

ソニー子会社へ転職してからは、自由さと同時に自ら事業計
画を策定し、数字やアクションプランに責任をもって仕事が
できたことに尽きます。ソニー時代も前職同様に、良き先輩
と上司、さらに経営者に恵まれて、人生最高の瞬間だったと
思います。本当に自分で思い描いた仕事をさせてもらました。
今、読んでいる本なのですが、盛田昭夫さんの弟で盛田正明
さんが書いた「人の力を活かすリーダーシップの中に、
「井深さんは最も優れたエンジニア指導者」というくだりが
あります。
私が見て思うに、井深さんは、エンジニアにどれぐらいの
能力があるかをちやんと見極めて、ある程度自由に思いきり
やらせたり、やれる範囲でおまえはこうやれと指示したりと、
人によって合わせることができた人でした。一人ひとりの能
力をどうやって伸ばしていくかということを、一番考えてく
れたのではないかと思います。さらに、それぞれの社員に厳
しい目標を与え、その実行に当たっては、「自分で考え、自
分で調べ、自分でやってみろ」というのが、井深流の基本的
方針だったのです。
また、教わるだけでなく、井深さんと対等に何度もディスカ
ッションすることによって、その中から自分のやるべきこと
を自分で発見していく。決して命令や教えられたといった方
法ではなかったと私は認識しています』とあります。
私が出会った経営者(当時の社長)も同様でした。だからこ
そ、自由に時間を管理しながら自分で考えて仕事ができまし
た。

もっとも予算管理とアクションプログラムという厳しい目標
設定と、事業計画に基づく日々の仕事に没頭することができ
たのは、盛田正明さんが書いておられるように、私が出
会った経営者(当時の社長)の指導が同じだったからです。
私のような人間にとって後にも先にも、このような経験はあ
ませんでした。時間を忘れるように楽しいのですが、もちろ
ん厳しさもあるのです。それが、本当のマネジメント
しょうか。毎日がディズニーランド状態でした。

盛田正明さんの言葉を借りれば、「ただ単に教えるというの
は簡単だし、問題を素早く解決することはできます。また、
指導者のレベルまでには容易に到達できます。しかし、それ
以上には行かないのです。
当時のソニーは、多少時間がかかっても、自分が苦労し考え、
まずやってみることによって、技術者の持つそれぞれの特長
を最大限に伸ばすことができました。それが、育成であり、
最良だと考えていたのです。
結果として、誰もやったことのないチャレンジにつながり、
そして、成功に至る一番早い方法だったのかもしれません

まさに、その通りのことを私も経験してきました。それが、
ソニーなのでしょう。このようなことができる企業が少ない
からこそ、ソニーは常にユニークな存在感を示せるので
はないでしょうか。

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